日本からの輸出に関する制度

花きの輸入規制、輸入手続き

EUでの輸入手続き

1. 輸入許可、商品登録、輸入ライセンス等(登録に必要な書類)

調査時点:2020年6月

EU規制において、花きの輸入に際してライセンスなどの要件は定められていません。
ただし、植物検疫証明書あるいは、植物パスポートが必要とされる植物を輸入する事業者や物流業者は専門事業者(Professional Operator)として登録、認可を受けることが必要とされていますが((EU)2016/2031 第65条)、手続きは各国で異なるため、確認が必要となります。

専門事業者(Professional Operator)とは、植物、植物製品、その他のものに関して次の活動を専門的に実施し、「隔離病害虫を発見した場合、ただちに関係当局に通知する」など、法的責任を有する事業者を指します。さらに、当局に認可された「専門事業者」は生産地や保管倉庫などで管轄品目の植物パスポートを発行する権限を認められています。

  • 栽植 (planting)
  • 育種 (breeding)
  • 生産 〔育成 (growing)、増殖 (multiplying)、管理 (maintaining)を含む〕
  • EU への導入
  • EU 域内の移動
  • EU 域内の移動
  • 市場への導入 (making available on the market)
  • 保管、収集、発送、加工(processing)

フランスの場合、フランス農業・食料省管轄の地域食品農林局(DRAAF:Direction Régionale de l'Alimentation, de l'Agriculture et de la Forêt)が管轄で、「専門事業者の登録」手続きは2019年までは書類での申請でしたが、2019年11月27日から電子化が進められており、すべて電子システムでの登録に統一される予定です。現在は移行期間中のため、うまくいかない場合は紙での申請も可能です。詳細は、フランス農業・食料省のウェブサイトで確認ができます。

英国の場合、環境・食料・地域省(DEFRA)が管轄ですが、「専門事業者の登録」手続きにはまず国税庁の輸出入処理システムのCHIEF (Customs Handling of Import/Export Freight)へ登録し、PEACH (Procedure for Electronic Application for Certificates from the Horticultural marketing inspectorate) への事前登録が必要です。

また、盆栽や実施規則(EU)2019/2072の ANNEX XIII に記載されている一部の植物を第三国からEU域内へ輸入し、EU域内で流通させる際には、植物パスポート(Plant Passports)とよばれるラベルを添付する必要があります。旧制度では特定の栽植用植物についてのみ植物パスポートが求められていましたが、新制度の下ではすべての栽植用植物に対して、EU 域内での移動に際し、遠隔販売を含め、植物パスポートが要求されるようになっています。

主に、種子以外のすべての栽植用の植物(苗、球根、塊茎など)、カンキツ属、キンカン属、カラタチ、サンショウ属、ブドウ属の植物(果実と種子を除く)、カンキツ属、キンカン属、カラタチの果実で、葉と花柄(枝と果実をつなぐ軸の部分)を伴うもの、一部の樹木や一部の種子などが対象となります。

第三国から輸入され「植物パスポート」が必要な場合は、国境管理所(BCP: Border Control Post)において、書類検査、リスクに応じて同一性検査(添付書類とのチェック)、あるいは現物検査(サンプル検査など)が行われ、要件を満たされていることが確認されると、発行されます。なお、各加盟国の手続きについては、「3 . 輸入時の検査・検疫」を確認してください。

その他、「専門事業者」や「植物パスポート」に関連する規制に関しては、ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2020年3月)」で確認できます。

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2020年6月

日本から花きを輸入するにあたっては、次の書類が必要になります。

  1. 通関申告書(単一管理文書 (SAD : Single Administrative Document)) EU域外の第三国とのすべての輸出入手続きに必要な共通申請書。様式は委員会実施規則(EU) 2016/341 Appendix B1に記載されています。
  2. インボイス(商業送り状)
  3. パッキングリスト(包装明細書: P/L)
  4. 価格申告書(Customs Value Declaration)
    CIF価格が2万ユーロを超える場合、SADと併せて価格申告書の提出を求められます。様式は規則 (EU) 2016/341 ANNEX 8に記載されています。
  5. 船荷証券(Bill of Lading: B/L)/航空運送状(Air Waybill: AWB)
  6. 植物検疫証明書
  7. 共通衛生入域文書(Common Health Entry Documents: CHED-PP)
    2019年12月14日から、公的管理の新規則 (EC) 2017/625 が適用開始となり、貨物の到着1日前までに共通衛生入域文書(CHED : Common Healthy Entry Document)をTRACES などの電子システム経由で国境管理所(BCP:Border Control Post)に通知する必要があります。

なお、日EU・EPAの特恵税率の適用を受けるには、当該輸出品の原産地が日本である旨を証明する原産地証明が必要となります。日EU・EPAでは、自己申告による原産地証明制度が採用されており、輸出者、輸入者または通関業者のいずれかが、自ら原産地を証明することになります。原産地証明に関する詳細は、税関のウェブサイトで確認できます。

関連リンク

関係省庁
欧州委員会(英語)  外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
規則 (EU) No 2016/2031(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
規則 (EU) No 2017/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2020年6月

盆栽またはグロリオサの切り花の輸入時には、公的管理の対象となるため、EU域内の国境管理所(BCP: Border Control Post)において、書類検査、リスクに応じて同一性検査(添付書類とのチェック)、あるいは現物検査(サンプル検査など)が行われます。なお、国境管理所(BCP)で実施される輸入品に対する公的管理(輸入検疫)には、関係当局より、当該公的管理の対象となった事業者(輸入品の場合は当該貨物に責任を有する者)に対して一定の手数料が課されます。手数料については、公的管理の新規則(EC)2017/625 のANNEX IV (VIII) に記載されています(書類検査 7ユーロ、同一性検査7〜14 ユーロ、現物検疫検査 アイテム・重量により変動)。

また、公的管理の強化期間中に同じ業者または国からの貨物が同じ違反を3回した場合は、欧州委員会は第三国の発送国の当局に対し必要な調査と是正を要請します。

国境管理所での公的管理の結果、当該貨物が公的管理の対象法令などに適合していることを確認された場合、共通衛生入域文書 (CHED-PP) は関係当局により最終化(finalize)されます。税関は、正式に最終化された CHED-PPが提示された場合にのみ、貨物の自由流通を許可すると規定されており、当該貨物の責任者(輸入業者や乙仲)は、最終化された CHEDを税関に提示することで、通関手続き(カスタム・クリアランス)を行うことができます。これらはTRACES などの電子システム経由で処理されます。

フランスにおいては、税関に植物検疫証明書が必要な植物や植物製品が到着すると、植物検疫検査が国境動植物検疫所(SIVEP:service d'inspection vétérinaire et phytosanitaire aux frontières)により行われます。書類確認、現物チェックまたは検疫検査が終わると(あるいは、フランスの検疫当局と協定を結んでいるほかの加盟国の検疫検査当局による検査が終了している場合は)、「防疫移動書類(Document Phytosanitaire de transport)」が検査終了までに発行され、「植物通行許可証(Laissez-Passer phytosanitaire)」が発給されると通関することができます。到着した税関とは別の税関局を通った場合、さらに検査が必要と判断されたときは追加の検査が行われます。

フランスにおける植物などの国境管理所のある港や空港、管理所は、2020年2月19日付アレテのANNEX IIに記載にされています。

関連リンク

関係省庁
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根拠法等
規則 (EU) No 2017/625 (英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
※関連リンクに示したEU法のリンクは、全て制定時の条文へのリンクとなっています。最新の条文を確認するには、ページ左側の「Document information」を選択し、「Relationship between documents」の「All consolidated versions」の中から最新時点のものを選択してください。
アレテ24/05/2006 (フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
動植物国境管理所のリストを定める2020年2月19日付アレテ(フランス語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
ジェトロ「EUにおける新しい公的管理・植物衛生・動物衛生制度に関する調査(2020年3月)」

4. 販売許可手続き

調査時点:2020年6月

規則No 2016/2031第79条に規定されているとおり、2019年12月14日から、EUで統一した植物パスポートのラベルが採用されるだけでなく、すべての植え付けを目的とした植物の販売、遠隔販売を含めたEU域内の移動にも植物パスポートが必要です(種子や個人使用など一部例外を除く)。実施規則(EU)2019/2072の ANNEX XIIIに記載されているとおり、盆栽は植物パスポート取得の対象となります。

主に、種子以外のすべての栽植用の植物(苗、球根、塊茎など)、カンキツ属、キンカン属、カラタチ、サンショウ属、ブドウ属の植物(果実と種子を除く)、カンキツ属、キンカン属、カラタチの果実で、葉と花柄(枝と果実をつなぐ軸の部分)を伴うもの、一部の樹木や一部の種子などが対象となります。

植物パスポートは自動的に発給されるものではなく、別途申請が必要ですが、各加盟国により手順が異なるため、確認が必要です。

フランスの場合、フランス農業・食料省管轄の地域食品農林局(DRAAF:Direction Régionale de l'Alimentation, de l'Agriculture et de la Forêt)により認可された専門事業者(Opérateurs professionnels) が植物パスポートを発行します。対象植物の輸入者は、専門事業者に申請し、梱包材を含め、要件を満たしていることが確認されると植物パスポートが発行されます。ただし、一部の植物に関しては例外として、直接当局(DRAAF、フランス・アグリメール または全国種苗業種間連合会(GNIS-SOC))からの発給が必要となります。検査方法の手法などの詳細は管轄地域にあるDRAAFまたは輸入業者へお問い合わせください。

英国の場合、対象となる植物・地域を英国動植物衛生庁(APHA :Animal and Plant Health Agency)のウェブサイトで確認できます。植物パスポートが必要な場合は、専用の申請書をAPHAへ提出し、登録番号の発給を受けた上で、その登録番号など所定の項目を記載した植物パスポートを作成し、当該植物とともに流通させます。

さらに、「1.輸入許可、商品登録、輸入ライセンス(登録に必要な書類)」で説明したとおり、植物検疫証明書や植物パスポートが必要とされる植物を輸入する事業者や物流業者は「専門事業者の登録(Professional Operator)」が必要とされていますが((EU)2016/2031 第65条)、手続きは各国で異なるため確認が必要です。

フランスの場合、フランス農業・食料省管轄の地域食品農林局(DRAAF:Direction Régionale de l'Alimentation, de l'Agriculture et de la Forêt)が管轄で、「専門事業者の登録」手続きは2019年までは書類での申請でしたが、2019年11月27日から電子化が進められており、すべて電子システムでの登録に統一される予定です。 現在は移行期間中のため、うまくいかない場合は紙での申請も可能です。既に農業食糧省の食品総局 (DGAL)、フランス・アグリメール 、全国種苗業種間連合会(GNIS-SOC)により、発給された登記番号INUPPを取得済みの場合、新たな登録は不要です。フランスまたはEU域内で植物などの生産や販売にかかわる場合は、事業を始める前に申請する必要があります。また、情報の更新がある場合は、毎年4月30日より前に申し出る必要があります。

5. その他

調査時点:2020年6月

なし