日本からの輸出に関する制度

茶の輸入規制、輸入手続き

ベトナムの食品関連の規制

1. 残留農薬

調査時点:2018年8月

茶は、残留農薬規制の対象となります。ベトナムでは使用される農薬についてポジティブリスト制を採用しており、「食品中に含まれる農薬の最大許容量を規定する保健省通達50/2016/TT-BYT」の附録において、農薬および食品の種類ごとにADI値(日常許容摂取値)およびMRL値(最大残留許容値)が定められています。法令に記載されていない農薬の残留は認められていません。

2. 重金属および汚染物質

調査時点:2018年8月

茶は、重金属および汚染物質規制の対象となります。最大残留基準値は、「食品中の重金属の最大残留基準値を規定する国家規格QCVN8-2:2011/BYT」の第2章において規定されています。
「食品中の重金属の最大残留基準値を規定する国家規格QCVN8-2:2011/BYT」の第2章では、6種類(ヒ素、カドミウム、鉛、水銀、メチル水銀、スズ)について、食品の種類ごとにMRL値(最大残留許容値)が定められています。法令に記載されていない重金属の含有は認められていません。

茶における重金属のMRL値は次のとおりです。

ヒ素:
1.0(mg/kg)
カドミウム:
1.0(mg/kg)
鉛:
2.0(mg/kg)
水銀:
0.05(mg/kg)

このほか、「食品中にある有毒菌類の最大残留基準値を規定する国家規格QCVN8-1:2011/BYT」にて有毒菌類、「食品中にある微生物の最大残留基準値を規定する国家規格QCVN8-3:2012/BYT」にて微生物、「食品中に含まれるワクチンや化学物質の最大許容量に関する保健省決定46/2007/QD-BYT」の第7章および「溶媒である製造助剤許容値を規定する国家規格QCVN18-1:2015/BYT」にて食品の製造助剤許容値についても規制をしています。

3. 食品添加物

調査時点:2020年12月

茶は、食品添加物規制の対象となります。
ベトナムで使用可能な食品添加物リストおよび使用対象食品ごとにおけるその最大許容値(ML値)は「保健省通達24/2019/TT-BYT」で定められています。ポジティブリスト形式で規定されているため、同リストに記載のない食品添加物の使用、販売、輸出入は認められません。
また、食品添加物は、次の1および2に該当する場合に限り、使用できます。

  1. 人の健康に損なうおそれがなく、消費者を欺くことなく、必要とされる効果を発揮する。
  2. 次の(a)~(c)の目的を達成するために、より経済的かつ技術的に効果のあるその他の方法がない。
    1. 食品の栄養価値の維持
    2. 食品の品質・安定性維持の強化または感覚刺激性の改善(消費者を欺く性質・品質の変更を伴わないもの)
    3. 食品の製造・輸送の補助(低品質な原材料の使用または不適切な製造・技術により発生する影響を隠す目的ではないもの)

新たな効果がある混合食品添加物、前述のリストに記載のない食品添加物、または前述のリストに記載される使用対象食品以外の食品への食品添加物の使用については、使用または販売する前に、「食品安全法の施行細則を定める政令15/2018/ND-CP」による商品公表書登録手続を行う必要があります。

このほか、「食品中に含まれるワクチンや化学物質の最大許容量に関する保健省決定46/2007/QD-BYT」の第7章および「溶媒である製造助剤許容値を規定する国家規格QCVN 18-1:2015/BYT」において食品の製造助剤許容値についても規制しています。

4. 食品包装(食品容器の品質または基準)

調査時点:2018年8月

輸出食品の包装および容器は、食品安全法の「食器と接触する容器・包装に対する安全衛生の国家技術規格を定める通達34/2011/TT-BYT」および「食品に直接接触するガラス、陶磁器等の容器・包装に関する通達35/2015/TT-BYT」に添付の各品質基準に合致することが求められます。合成樹脂、ゴム、金属それぞれの材料により安全衛生の国家技術規格が異なるため注意する必要があります。

さらに、食品に直接接触するプラスチック容器の場合は、次の基準を満たすことが求められています。

  1. ポリエチレンに関する基準TCVN 6514-1:1999(AS2070-1:1995(E))
  2. ポリ塩化ビニルに関する基準TCVN 6514-2:1999(AS 2070–2:1993(E))
  3. スチレンのプラスチック材料に関する基準TCVN6514-3:1999(AS2070–3:1993(E))
  4. アクリロニトリルのプラスチック材料に関する基準TCVN6514-4:1999(AS2070–4:1993(E))
  5. ポリプロピレンに関する基準TCVN6514-5:1999(AS2070–5:1993(E))
  6. 着色剤に関する基準TCVN6514-6:1999(AS2070–6:1993(E))
  7. ポリ塩化ビニリデンに関する基準TCVN6514-7:1999(AS2070–7:1993(E))
  8. その他の添加剤に関する基準TCVN6514-8:1999(AS2070–8:1992(E))

なお、食品をベトナムに輸出後に、ベトナムにおいて包装および容器に封入する場合、当該包装および容器は、これらの規定に従うほか、商品自己公表手続きが必要となる場合があります(食品安全法の施行細則を定める政令15/2018/ND-CPの4条1項)。

5. ラベル表示

調査時点:2018年8月

茶のラベル表示は、「商品表示に関する政令43/2017/ND-CP」および「保健省・農業農村開発省・商工省共同通達34/2014/TTLT-BYT-BNNPTNT-BCT」により規定されています。

  1. 商品名
  2. 商品に対して責任を有する組織または個人の名称と住所
  3. 原産国(パッケージングが産地と異なる国で行われた場合は、パッケージ国を併記)
  4. 内容量(正味重量)
  5. 製造年月日
  6. 賞味期限
  7. 原材料(重量順・単一成分の場合は不要)
  8. 衛生安全性に関する情報または警告
  9. 使用方法や保管方法
  10. 自己公表または商品公表書登録を行った商品については自己公表番号または商品公表書登録番号、旧政令下で取得した食品安全証明書が有効な場合は、食品安全証明書番号

*現時点では、新しい政令(43/2017/ND-CPおよび15/2018/ND-CP)のもとでのラベル記載事項を定める通達・ガイドラインなどは発せられていませんが、当面の対応として前述のように対応しています。

また、遺伝子組換え食品や機能性食品に関する表示規則なども別途ありますのでご留意ください。

ラベルには、ベトナム語による表記が義務付けられています。また、商品ラベルの表示は商品のラベルに関する政令43/2017/ND-CPの規定に従わなければなりません。

また、機能性食品のラベル表示については、「保健省通達43/2014/TT-BYT」の第6条に定められています。遺伝子組み換え食品のラベル表示については、「農業農村開発省・科学技術省共同通達45/2015/TTLT-BNNPTNT-BKHCN」に規定されています。

6. その他

調査時点:2018年8月

ベトナムで販売する茶の衛生規制は、「食品安全法」で定められています。 同法によれば、ベトナムの国家レベルでの食品安全管理は、主に保健省が担っています。保健省は食品安全に関する食品包装、食品容器の国家技術規定の公布や、加工食品にかかる食品添加物、食品加工助剤などについての管理権限も有しています。ただし、茶の食品安全管理については、農業農村開発省が担っています。
「食品安全法」の施行細則を定める「政令15/2018/ND-CP」の第6章および「保健省-農業農村開発省-商工省共同通達13/2014/TTLT-BYT-BNNPTNT-BCT」に基づいて、輸入される食品、食材、食品添加物、食品加工助剤、食品包装用具、食品包装材、食品容器など、すべてが検査対象となります。ただし、展示会サンプル用の食品など、検査対象外の場合もあります。
輸入される茶の検査の方法、手続きについては、「輸入手続き」の「2. 輸入時の検査」を参照してください。
なお、「食品安全法」第38条第2項によると、茶が遺伝子組み換え作物である場合は、自由販売証明書(CFS)の取得などが別途必要となります。

ベトナムでの輸入手続き

1. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2018年8月

「財務省通達38/2015/TT-BTC」(同省通達39/2018/TT-BTCにより改正)では、一般的な通関検査、通関手続きなどを規定しています。
通関申告は通関データ処理システム(VNACCS)を用いてオンラインで行われ、申告書、インボイス、船荷証券、価値申告書、商品証明書といった書類が通関申告の登録のために必要になります。通関申告の登録が承認された場合、VNACCSによって申告番号が付与されます。その後、通関に必要な検査内容(審査・検査なし、書面審査、貨物検査の3レベルがあります)が決定され、VNACCS上で通知されます。また、通関には、植物検疫、食物安全検査などに合格していること、関税がすべて納付されることが必要となります。

なお、税関職員の裁量と慣行によって、実際には法令とは異なる手続きがなされる場合があることにも注意する必要があります。

2. 輸入時の検査

調査時点:2018年8月

「政令15/2018/ND-CP」第6章によると、植物由来の輸入食品の場合、輸出国の所轄機関は、ベトナムへ輸出する国としての登録手続きを行う必要があります(加工・包装済み食品の場合、同政令第13条に定める輸入食品安全検査の免除対象に該当する場合は除きます)。当該登録について、日本は2013年12月16日にベトナム農業農村開発省により承認されたので、当該条件を満たしています。
また、「農業農村開発省通24/2017/TT-BNNPTNT号」附録5によると、茶は輸入時の食品安全検査対象となります(ただし、商品公表書登録の受取書が発行された商品など、「政令15/2018/ND-CP第13条」に定める場合は、この検査が免除されます)。
食品安全検査の方式としては、通常検査、簡易検査および厳重な検査があります。原則として通常検査が適用されますが、次に該当する場合は、簡易検査または厳重な検査が適用されます。

  1. 簡易検査の適用
    1. ベトナムが加盟している食品安全相互認定に関する国際条約を締結している国の機関、組織により食品安全に関する要求に到達していると認定された場合;ベトナム法令に適合する輸入ロットおよび商品に対する輸出国の権限のある機関による検査結果がある場合。
    2. 12カ月以内に通常検査により輸入要件合格通知書を連続で3回取得した商品。
    3. GMP、HACCP、ISO22000、IFS、BRC、FSSC22000の品質管理基準またはそれと同等な基準を適用している事業所で生産された商品。
  2. 厳重な検査の適用
    1. 前回の検査における輸入要求レベルに到達していなかった輸入ロットおよび商品。
    2. 前の審査、検査(ある場合)における基準に満たさなかったロット、商品。
    3. 保健省、農業農村開発省、工商省、省級の人民委員会または外国にある権限を有する機関あるいは生産業者からの警告がある場合。

食品安全検査を申請する際の書類として、次のものを検査実施機関に提出します(通常検査の場合)。

  1. 食品安全検査申請書(正本)
  2. 商品自己公表書
  3. パッキングリストの写し

食品安全検査の手段としては、書類検査ですが、厳重な検査の場合はサンプル検査も行われます。
食品安全検査に合格すると、輸入要件合格通知書が発行されます。輸入者は同通知書を関税当局に提出します。

3. 販売許可手続き

調査時点:2018年8月

茶の販売については「食品販売事業所への安全確保の一般条件」に関する内容が「保健省通達15/2012/TT-BYT」の第2章に定められています。また、小型販売店の場合、「保健省通達16/2012/TT-BYT」の第5章「小型の食品販売事業所への食品安全の条件」に基づいて、拠点、設備、食品、食品販売担当者などの食品安全条件を順守しなければなりません。

保健省が管轄する機能性食品、微量栄養素補助食品、補助食品(supplementary food)、食品添加物、飲用水およびミネラルウォーターに対しては輸出国で発行された自由販売証明書(Certificate of Free Sale:CFS)の提出が要求されます〔政令69/2018/ND-CP(2018年5月15日発行)〕。
日本では自由販売証明書は各地方厚生局で発行しています。その取得方法については、「その他参考情報」の「自由販売証明書の発行について」(厚生労働省)を参照してください。

卸売業・小売業でベトナムに進出する場合については、「その他参考情報」の「卸売業・小売業で進出する際の留意点:ベトナム」(ジェトロ)を参照してください。

4. その他

調査時点:2018年8月

なし

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