日本からの輸出に関する制度

アルコール飲料の輸入規制、輸入手続き

ベトナムの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2018年6月

アルコール飲料は輸入できます。「外国貿易管理法の施行細則を定める政令69/2018/ND-CP」の別表1のIIに輸入禁止品目が挙げられていますが、アルコール飲料は対象外です。また、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う輸入規制は既に撤廃されています。

2. 施設登録、商品登録、輸入許可等(登録に必要な書類)

調査時点:2018年6月

なし

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2018年6月

なし

ベトナムでの輸入手続き

1. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2018年6月

財務省通達38/2015/TT-BTC(同省通達39/2018/TT-BTCにより改正)では一般的な通関検査、通関手続きなどを規定しています。

通関申告は、通関データ処理システム(VNACCS)を用いてオンラインで行われ、申告書、インボイス、船荷証券、価値申告書、商品証明書といった書類が通関申告の登録のために必要になります。通関申告の登録が承認された場合、VNACCSによって申告番号が付与されます。その後、通関に必要な検査内容(審査・検査なし、書面審査、貨物検査の3レベルがあります)が決定され、通関データ処理システム上で通知されます。また、通関には、動物検疫、食品安全検査などに合格し必要な要件をすべて満たしていること、関税などがすべて納付されることが必要となります。
旧法令では、酒類をベトナムに輸入する際、前述の書類のほか、輸入事業者は、当該酒類の製造者・販売者からの委任状または代理店契約も提出しなければならないとしていましたが、現行法令では求められません。
なお、税関職員の裁量と慣行によって、実際には法令とは異なる手続きがなされることがあることにも注意する必要があります。

  • 酒類は、「財務省通達 91/2003/TT-BTC」に従って、通関時に容器に証紙(Import Stamp)の貼付が義務付けられており、必ず実物検査を受けなければなりません。
  • ビールおよびアルコール度数5%未満の発酵果汁は、通関時に容器に証紙の貼付は不要ですが、実物検査は受けなければなりません。

2. 輸入時の検査

調査時点:2018年6月

「商工省通達28/2013/TT-BCT」に基づき「Alcohols, beers, beverages, processed milk, vegetable oil, products processed from powder, starch, cakes, jam, candies and packing containing the above products」については、法令で定められた安全基準が順守されていることを確認するため、食品安全検査が行われます。食品安全検査を行う際には次の書類の提出が必要となります。

  1. 食品安全検査登録書
  2. 食品安全に関する規制適合宣言(認証済み写し)
  3. 輸入の根拠となる契約書
  4. パッキングリスト(公証済み写し)
  5. 船荷証券
  6. インボイス
  7. 輸入申告書(認証および輸入業者の確認済みの写し)等

食品安全検査の際は、書類検査、物品のラベルや包装の状態などの外形から判断できる物品の状態の検査、およびサンプル検査が実施されます。食品安全検査に合格すると輸入要件適合証が発行されます。

検査料金:1ロット1,500,000ドン+(銘柄数×100,000ドン)
最大1ロット10,000,000ドン、サンプル検査の費用は含まない。

3. 販売許可手続き

調査時点:2018年6月

酒類(ビールまたはアルコール度数5%未満の発酵果汁を含まない)の販売は「酒類販売に関する政令105/2017/ND-CP」により規制されます。
同政令105/2017/ND-CPの第2章では、流通・販売許可証の新規発給、期間延長、追加、改廃などの手続きを規定しています。ベトナム国内での酒類の販売については、ライセンスが必要です。ベトナム国内で酒類の販売をする業者は、通常の業者登録認可証に加え、商業省地方局から特別ライセンスを取得する必要があります。また、保健省が規定した特殊なタイプの酒類(薬用アルコール)を輸入する業者は、その輸入酒の内容などを保健省に登録する必要があります。

ビールおよびアルコール度数5%未満の発酵果汁は、政令105/2017/ND-CPの適用対象ではなく、同政令に基づくライセンスは不要です。また、政令77/2016/ND-CP (政令08/2018/ND-CPにより改正)には、ベトナム国内でのビール製造者について、食品安全性・衛生保証の条件が定められていますが、販売者についての条件は規定されていません。

また、アルコール飲料を含む食品の輸入・販売には次の手続きが必要となります。

  1. 食品安全要件充足施設証明書
    食品安全法の第34条および「食品安全法の施行細則を定める政令15/2018/ND-CP」の第11条および第12条によれば、包装済み食品に該当する場合を除き、ベトナム国内でアルコール飲料を含む食品を製造または販売する企業は、「食品安全要件充足施設証明書」を取得する必要があります。
    「食品安全要件充足施設証明書」の取得の条件は、「食品安全に関する食品製造または販売施設の一般的な要件を定める保健省の通達15/2012/TT-BYT」の第5条ないし第8条に規定されます。
  2. 商品自己公表
    「食品安全法の施行細則を定める政令15/2018/ND-CP」によると、加工包装済みの食品に該当するアルコール飲料を輸入する企業は、商品自己公表手続きを行う必要があります。商品自己公表とは、所定の書式の商品自己公表書および商品テスト結果票をマスメディアまたは自己のウェブサイトもしくは所在地において公表し、かつ、当局へ送付することにより行われる手続きです。
  3. 輸入ライセンス
    「外資企業の流通関連ビジネスに関する商法施行政令09/2018/ND-CP」の第5条によれば、外資企業は、アルコール飲料の輸入について事前に商工省から外資企業の営業許可書(輸入)を取得する必要はありません。ただし、「酒類販売に関する政令105/2017/ND-CP」第30条1項に基づき、酒類を輸入するすべての企業は、酒類流通許可を取得する必要があるとされています。また、ベトナムに初めて輸入されるアルコール飲料については、輸入者が輸入前に、管轄当局にサンプルを提出して、衛生や安全性に関する証明をしなければなりません。

4. その他

調査時点:2018年6月

なし

ベトナム内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2018年6月

アルコール飲料は関税の対象となります。

優遇税率(政令125/2017/ND-CPに添付された輸入税表)適用の場合

  • ビール等(HS 2203):35%
  • ぶどう酒(強化ぶどう酒を含み、生鮮のぶどうから製造したものに限る)およびぶどう搾汁(第20.09項のものを除く)(HS 2204):50%
  • ベルモットその他のぶどう酒(生鮮のぶどうから製造したもので、ハーブまたは芳香性物質により香味を付けたものに限る)(HS 2205):50%
  • その他の発酵酒(例えば、りんご酒、梨酒、ミードおよび清酒)、ならびに発酵酒とアルコールを含有しない飲料との混合物、および発酵酒の混合物(他の項に該当するものを除く)(HS 2206):55%
  • エチルアルコール(変性させていないものでアルコール度が80%未満のものに限る)および蒸留酒、リキュールその他のアルコール飲料(HS 2208):45%
  • 清酒(HS 2206.00.20): 55%
  • その他(HS 2208.90)※焼酎など:45%

日本・ベトナム経済連携協定(VJEPA)の税率を適用の場合

  • アルコール飲料の輸入税率:65%
  • 清酒(HS 2206.0020)および1.14%以下のアルコール度数のエチルアルコール(HS 22089091)ならびにその他(HS 2208.9099):次のスケジュールで関税率は段階的に引き下げ

    2018年1月1日~2018年3月31日: 12%
    2018年4月1日~2019年3月31日: 6%
    2019年4月1日~2023年3月31日: 0%

VJEPA税率を適用するには、日本商工会議所が発給する特定原産地証明書の取得が必要となります。その特定原産地証明書には2007年版HSコードで記載しなければなりません。

なお、VJEPA税率は、対象品目について日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)の税率より低いまたは同じとなっています。

日本・ASEAN包括的経済連携協定(AJCEP)の税率を適用の場合

  • アルコール飲料の輸入税率:65%
  • 清酒(HS 2206.0020)および1.14%以下のアルコール度数のエチルアルコール(HS 2208.9091)ならびにその他(HS 2208.9099):次のスケジュールで関税率は段階的に引き下げ
    HSコード AJCEP適用税率 (%)
    2018年1月1日~
    2018年3月31日
    2018年4月1日~
    2019年3月31日
    2019年4月1日~
    2020年3月31日
    2020年4月1日~
    2021年3月31日
    2021年4月1日~
    2022年3月31日
    2022年4月1日~
    2023年3月31日
    2206.002 24 20 16 12 8 4
    2208.9091
    2208.9099
    27 23 19 15 11 8

    ※AJCEPは2007版HSコードで規定されています。

VJEPAとAJCEPの税率は特別優遇税率であり、特別優遇税率が優遇税率よりも高い場合、優遇税率が適用されます。

CPTPP(TPP11)の特別優遇税率を適用の場合

CPTPP(TPP11)の特別優遇税率の適用を受けるためには、次の条件をすべて満たしている必要があります。

  • 政令57/2019/ND-CPに添付される優遇輸入関税の商品リストに該当すること
  • 日本(または他の締約国)からベトナムへ輸入されること
  • 日本(または他の締約国)からベトナムに直接出荷される商品であること
  • CPTPPの商品の原産地に関する規定を満たし(品目別規則等は通達03/2019/TT-BCTに規定)、生産者または輸出者が自ら原産性を証明すること(※)

※CPTPPは自己申告制度のため、生産者または輸出者が自ら原産地証明書を作成し、ベトナム輸入時に税関に提出する。輸入者が作成する原産地証明書はベトナムではまだ認められない(協定本文 第3.20条1項注2)。また、日本商工会議所の特定原産地証明書発給は行われない。
※ベトナムから日本に輸入する場合は、商工省管轄の発給機関でCOフォーム(フォームCPTPP)発給を受ける(協定本文 附属書三-A 5項(b))か、または日本の輸入者が自ら作成し、日本輸入時に税関に提出するかのいずれかとなり、日本からベトナムに輸出する場合と手続きが異なる。

アルコール飲料の特別優遇輸入関税率 CPTPP (%)
HSコード 2019年1月14日-
2019年12月31日
2020年1月1日-
2020年12月31日
2021年1月1日-
2021年12月31日
2022年1月1日-
2022年12月31日
2206.00.20 19.6 0 0 0
2208.90 40 40 35 35

関連リンク

関係省庁
ベトナム税関総局(ベトナム語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
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ベトナム商工省(ベトナム語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
輸入クオータ枠を超える輸入量に対する輸入税率および品目、混合税・上限税率および品目、優遇輸入税率表、輸出税率表について規定する政令122/2016/ND-CP(ベトナム語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(12.1MB)
政令122/2016/ND-CP号を改正・補足する政令125/2017/ND-CP(ベトナム語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
VJEPAの特別優遇税率を規定する政令155/2017/ND-CP(ベトナム語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
AJCEPの特別優遇税率を規定する政令160/2017/ND-CP(ベトナム語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
57/2019/ND-CP(ベトナム語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
通達03/2019/TT-BCT(ベトナム語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
経済産業省「日・ASEAN包括的経済連携 (AJCEP) 協定」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
経済産業省「日ベトナムEPA(JVEPA)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
世界各国の関税率(World Tariff)
ジェトロ「アルコール飲料の現地輸入規則および留意点:ベトナム向け輸出」
内閣官房「TPPの内容」(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
内閣官房「TPPの内容」(日本語 訳文)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
内閣官房「Tariff Schedule」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(11.8MB)
財務省関税局・税関「TPP11(CPTPP)原産地規則について」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(857KB)
農林水産省「TPPにおける各国の対日関税に関する最終結果(HS2012版)(詳細版)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.1MB)
ジェトロ「ビジネス短信:TPP11の原産地規制に関する通達を公布(ベトナム)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
ジェトロ「ビジネス短信:CPTPPに基づく輸出入関税率が公布・施行(ベトナム)」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2. その他の税

調査時点:2018年6月

財務省通達83/2014/TT-BTCに基づいて、アルコール飲料のVAT税率は10%です。

3. その他

調査時点:2018年6月

2014年の特別消費税法改正法70/2014/QHに基づいて、特別酒類消費税(Special Consumption Tax for Liquors: SCT)が課税されます。特別酒類消費税の税率はアルコール度数によって異なります。

アルコール度数20度以上:
  • 2016年1月1日~12月31日: 55%
  • 2017年1月1日~12月31日: 60%
  • 2018年1月1日以降: 65%
アルコール度数20度未満:
  • 2016年1月1日~2017年12月31日: 30%
  • 2018年1月1日以降: 35%
ビール:
  • 2016年1月1日~12月31日: 55%
  • 2017年1月1日~12月31日: 60%
  • 2018年1月1日以降: 65%

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