日本からの輸出に関する制度

牛肉の輸入規制、輸入手続き

マレーシアの輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2017年11月

2017年11月、マレーシアのハラール方式を取り入れた日本産牛肉輸出施設(2施設)で処理された日本産牛肉の輸出が可能となりました。
牛肉は、2013年3月に発効した「2012 年関税(輸入禁止)令 (Customs (Prohibition of Imports) Order 2012)」において「特定の方式でのみ輸入可能な品目」として指定されており、輸入に際しては品目(HSコード)ごとに各機関からのライセンスが必要となっています。
また、輸入畜産物(鶏肉、牛肉など)は、マレーシア・イスラーム開発庁(JAKIM)が公認した、各国のハラール認証機関・団体からハラールと畜証明書を取得することが必須となっています。
なお、東日本大震災以降、日本からの食品輸入については、原産地証明などの規制が実施されていましたが、2013年3月1日をもって廃止されました。

2. 動植物検疫の有無

調査時点:2017年11月

牛肉については、官庁間の統合通関登録システム「Dagang.Net」を経由してオンライン輸入許可システム「ePermit」上で、それぞれの出荷ごとに輸入登録、農業局(DOA)への輸入許可申請書およびフォームJK69の事前承認を得る必要があります。その承認を経た後、それぞれの原本を動物検疫検査官(Animal Quarantine Officer)に提出する必要があります。

3. 残留農薬規制

調査時点:2017年1月

マレーシアでは残留農薬(最大許容残留値、使用禁止農薬)について、「1985年食品規則」(Regulation 41ならびにSIXTEENTH SCHEDULE)において品目ごとに定められています。
牛肉に関する残留農薬の最大残留基準はそれぞれ下記のとおりです。

牛肉に関する残留農薬の最大残留基準
農薬(英名) 農薬(和名) 種類 最大許容残留値(mg/kg)
Amitraz
(sum of amitraz calculated as N-(2,4-dimethylphenyl)- N methyl formamidine and N’ –methyl-formamidine
アミトラズ 牛肉 0.05
食用もつ 0.2
Coumaphos
(sum of coumaphos and its oxygen analogue)
クマホス 肉(脂肪) 10
Cypermethrin (sum of isomers) シペルメトリン 肉(脂肪) 0.2
Malathion マラチオン 牛肉 1
Phoxim ホキシム 牛肉 0.01

上記で特に指定されていないものに関しては、CODEXが定める基準値に従うものとし、CODEXでも特に定めのない農薬については全て0.01mg/kgの最大許容残留値が適用されます。

4. 重金属および汚染物質(最大残留基準値/禁止)

調査時点:2017年11月

マレーシアで消費される全ての食品に関する重金属および汚染物質(最大許容残留値)については、「1985年食品規則」(Regulation 38ならびにFOURTEENTH SCHEDULE)において品目ごとに定められています。
牛肉に関する重金属(有機ヒ素、鉛、メチル水銀、カドミウム、アンチモン)の最大残留基準は、それぞれ以下のとおりです。

牛肉に関する重金属の最大残留基準値 (mg/kg)
食品 有機 ヒ素 メチル 水銀 カドミウム アンチモン
肉ならびに肉加工品
(食用ゼラチンを除く)
1 2 0.05 1 1

また、牛肉については動物用薬品について最大残留基準が定められています。詳細はその他参考情報「2016年度 日本からの農林水産物・食品輸出に関する各国・地域の制度調査(マレーシア)」を参照ください。
なお、マレーシアで消費される全ての食品に含有が禁止されている物質については、「1985年食品規則」(Regulation 40ならびにFIFTEENTH A SCHEDULE)において品目ごとに定められています。

5. 食品添加物規制

調査時点:2017年11月

マレーシアで消費される全ての食品添加物は「1985年食品規則」(PART V)に定められています。食品添加物の使用については、以下のように定められています(Regulation 19)。

  • 食品添加物として許可されていない物質は食品添加物として使用してはならない。
  • 食品規則で具体的に定められた基準に準拠しない認可食品添加物もまた食品に使用してはならない。
  • 食品添加物の食品への添加は、食品規則で認可が明文化されていない限り禁止する。
  • 食品に使用される食品添加物は、その最大許容値を超えないこと。

添加物としてのポジティブリストや使用許容値は、食品添加物の種類および対象となる食品ごとに細かく数値が定められています(下記の表参照)。

食品添加物の種類別食品規則および附表
添加物の種類 食品規則 附表
保存料 Regulation 20 SIXTH SCHEDULE
抗菌剤 Regulation 20A SIXTH (A) SCHEDULE
着色料 Regulation 21 SEVENTH SCHEDULE
香料 Regulation 22 EIGHTH SCHEDULE
風味増強剤 Regulation 23 NINTH SCHEDULE
酸化防止剤 Regulation 24 TENTH SCHEDULE
食品調整剤 Regulation 25 ELEVENTH SCHEDULE
栄養強化剤 Regulation 26 TWELFTH SCHEDULE
ビフィズス菌 Regulation 26A TWELFTH A SCHEDULE

なお、食品調整剤はさらに以下のサブカテゴリ―に分類され基準が整理されています。

  • 乳化剤および消泡剤
  • 安定剤、増粘剤、加工でん粉ならびにゲル化剤
  • pH調整剤
  • 酵素
  • 溶剤
  • 固化防止剤

6. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2017年11月

食品容器に関しては、「1985年食品規則」(PART VI)に以下のとおり定められています。

  1. 食品包装に使用される梱包材料は、中身の食品に対して有毒、有害なものであってはならず、汚染物質を含まず、食品の劣化を早めるようなものであってはならない。
  2. 容器にセラミック(カテゴリーA: 磁器、ボーンチャイナ、ファインチャイナ、溶化磁器その他吸水率が0.4%以下のもの、カテゴリーB: 陶器、せっ器(ストーンウェア))を使用する場合は、マレーシア規格(MS:Malaysian Standard)の「MS ISO 6486-1 食品と接触するセラミック容器、ガラスセラミック容器およびガラス食器」に従わなければならない。また、セラミック容器に含まれる鉛とカドミウムの最大許容量には以下の制限がある。
    セラミック容器に含まれる鉛とカドミウムの最大許容量
    種類 単位 カドミウム
    平らな容器 mg/dm2 0.8 0.07
    深みのある容器(小) mg/l 2.0 0.20
    深みのある容器(大) mg/l 1.0 0.20
    また、セラミック容器は以下の要件を満たさなければなりません(テスト方法はマレーシア規格MS ISO 6486-1を参照)。
    セラミック容器の要件
    パラメータ カテゴリーA カテゴリーB
    陶器 せっ器
    吸水率(%) 0.4%以下 0.3%以上0.7%以下 0.3%以下
    熱衝撃(℃) 160 160 160
    耐チッピング性(J) プレート直径>22mm 0.25 該当なし
    プレート直径≦22mm 0.18 該当なし
    カップ/マグ/ボウル(注ぎ口無し) 0.10 該当なし
    カップ/マグ/ボウル(注ぎ口あり) 012 該当なし
    クレージング 全てのテスト片でクレージングがないこと
  3. 1キログラムあたり1ミリグラム以上の塩化ビニルモノマーを含んだポリ塩化ビニルを利用した容器は禁止されている。
  4. 1キログラムあたり0.5ミリグラム以上の塩化ビニルモノマーを含んだポリ塩化ビニルに梱包された食品の輸入、販売をしてはならない。
  5. 非食品用に製造された容器を食品用に使用してはならない。
  6. ナチュラルミネラルウオーターの容器として使用した20リットル以下のポリカーボネート容器を同じ目的で使用することは認められているが、それ以外の下記のような容器のリサイクルは認められていない。
    1. 何らかの用途として使用された袋を砂糖や小麦粉、その他の粉類の容器として使用すること。
    2. 何らかの用途として使用されたボトルや金属容器(食用脂や食用油用のサイロやタンカーを除く)を食用脂や食用油の容器として使用すること。
    3. 豚由来の製品の容器として意図されたもの、あるいは豚由来の製品の容器として使用された容器を非豚由来の製品の容器として使用すること。
    4. 何らかの用途として使用されたプラスチック容器を、食品の容器として使用すること。
    5. アルコール類やシャンディ(飲み物)の容器として使用された容器を、それらを除く食品の容器として使用すること。
  7. 以下のような類似用途のための容器のリサイクルも認められていない。
    1. 別の用途として使用されたガラス瓶を牛乳、清涼飲料水あるいはシャンディの容器として使用すること。
    2. 別の用途で使用された箱や木箱を野菜、魚、果物の容器として使用すること。
    3. 別の用途で使用された麻袋を精米の容器として使用すること。
  8. アルコール飲料、シャンディ、野菜、果物のための、以下のような容器のリサイクルは認められる。
    1. アルコール飲料の容器として使用されたガラス瓶を、シャンディの容器として使用すること(あるいはその逆)。
    2. 野菜の容器として使用された箱や木箱を、果物の容器として使用すること(あるいはその逆)。
  9. ある食品の容器として使用されている容器に、それとは別の食品のラベルやマークが表示されていた場合、その容器は以前にそのラベルやマークの食品用途として使用されたものである、と推定する。
  10. 破損した容器の使用は認められていない。
  11. 食品の容器の中に玩具やコイン、その他のものを入れてはならない。ただし、食品の無菌状態など食品の望ましい質を担保するためのものや、食品のラベル、酸素を吸収するための還元鉄粉などの同梱は認められている。
  12. 酸素吸収を目的とした還元鉄粉は、食品に混入し、食品を汚染し、食品の内部に侵入しないよう、小袋に入れ、封をしなければならない。小袋の素材は、下記のうち少なくとも1つ以上を含まなければならない。
    1. 塩化カルシウム
    2. 水酸化カルシウム
    3. 活性炭
    4. 石膏
    5. 酸化鉄
    6. 水酸化マグネシウム
    7. ステアリン酸マグネシウム
    8. パーライト
    9. 滑石
    10. 沸石

7. その他

調査時点:2017年11月

なし

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