知的財産ニュース 政府レベルの知的財産保護執行成果、定期的に発表
2014年1月6日
出所: 未来創造科学部
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「2013年度の知的財産侵害対応及び保護執行報告書」を初めて発刊
今年初めて発刊された「2013年度知的財産侵害対応及び保護執行報告書」によると、最近の韓国の知的財産権保護環境は大きく改善されたものと示された。
不法著作物の利用が2009年42.4%から2013年32.4% に著しく減って合法市場の規模も3兆3千億ウォン弱増加し、模倣品に対する消費者の認識も2009年の調査以降徐々に改善されている。従って、米国政府が毎年発表している知的財産権監視対象国から2009年から5年連続して除外となっている。
国家知識財産委員会が主管し法務部、文化体育観光部と特許庁など11関連政府機関が参加して、政府レベル全体で初めて発刊したこの報告書は、韓国政府の知的財産保護政策の成果を網羅している。
この報告書を契機に、韓国政府の知的財産権に対する保護意志と努力を対内外に知られることにより、これまで韓国の国家競争力に比べて評価が低かった韓国の知財権の国際的位相と保護順位※の向上に寄与するものと期待している。
※2013年韓国知財権保護水準に関する国際評価
WEF48位(vs.国家競争力25位)、IMF 40位(vs.国家競争力22位)
※米国政府も大統領所属の知的財産執行調整官(IP Enforcement Coordinator)を設置し、毎年「知識財産執行に関する年次報告書」(US IP Enforcement Coordinator Annual report on IP Enforcement) を発刊している。
この報告書によると、知的財産権保護執行の分野別の主要成果は次のとおりである。
第一に、産業財産権分野の場合、特許庁が2010年に特別司法警察の発足を契機に模倣品に対するオン・オフラインの取締りを強化した結果、2013年12月現在、376人を刑事立件し、82万件余りを押収した。また、オンラインショッピングモール800ヶ所の接続を遮断または閉鎖した。
第二に、著作権分野は文化体育観光部所属の著作権特別司法警察、著作権委員会のOSP(Online Service Provider)取締り及び著作権保護センターの不法著作物追跡システム(ICOP: Illegal Copyrights Obstruction Program)の運営など、全方位において監視や取締り及び捜査活動を行った結果、不法著作物の複製及び流通が大幅に減ったものと示された。
第三に、晴雨の知財権保護執行の成果は、特許庁及び文化体育観光部の所管分野別の保護努力とともに、検察と警察及び自治体などの内部取締り、通関段階の関西町の取締りと海外事務所(特許庁傘下のIP-Desk及び著作権委員会の海外著作権センター)の現地支援などと連携してから向上されている。
権利 |
所管の政府機関 |
主な業務 |
細部推進事項 |
---|---|---|---|
産業財産権 |
特許庁 |
特許、商標、営業秘密及びデザインなどの国内外の保護活動、広報及び教育など |
特許審判及び模倣品の取締り |
著作権 |
文化体育観光部 |
国内外の著作権に係る保護活動、広報及び教育など認識向上活動 |
著作権侵害取締り、OSP対象是正・勧告、在宅モニターリング及びICOP運営など |
取締り及び |
検察庁 |
知的財産権侵害物品の不法複製及び流通取締り、捜査など |
捜査(取締り)任財の専門性強化及び捜査技法能力の向上 |
警察庁 |
|||
海洋警察庁 |
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貿易委員会 |
知的財産権侵害など不公正貿易行為の調査及び判定 |
知財権侵害及び原産地表示違反などの調査 |
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関税庁 |
関税、水際処置など対外取引秩序の確立 |
密輸入取締り及び通関保留処置など |
この報告書には、海外市場進出時の知財権紛争の危険に露出された中小・中堅企業を対象に紛争対応システム、モバイル及びSNSなどにより新たに拡大する侵害類型に対する知財権保護、3Dプリンティング、ビックデータと伝統知識など新知識財産の保護対策を講じる必要性などを政府の今後の課題として提示している。
今後政府は、定期的な年次報告書を発刊するとともに、韓国政府の知的財産保護執行体系をさらに強化し、関連の政府機関同士で協業を拡大するために(仮)「知識財産権保護政策協議会」※(主管:国家知識財産員会)を来年1月中に発足し運営する計画である。
※幹事:国家知識財産委員会 知識財産戦略企画団
参加:法務部、文化体育観光部、特許庁、警察庁、海洋警察庁、関税庁、自治体など
運営:隔月で開催し、政府機関別に巡回開催
業務:執行成果の評価、情報共有、捜査共助及び人材教育など
添付:「2013年度知的財産侵害対応及び保護執行報告書」の主な内容
別添:「2013年知的財産侵害対応及び保護執行報告書」
『2013年度知的財産侵害対応及び保護執行報告書』の主な内容
発刊の目的
- 政府の知的財産保護執行への取り組みと政策成果を発表し共有することにより、社会的な認識向上に貢献
※新政権の国際課題「2.知的財産の創出活用保護体制の先進化」の細部課題に該当 - 国家競争力に比べて低評価されている知的財産権保護順位※の適正評価のための資料として、関連機関に提供
※2013年:WEF 48位(vs. 国家競争力25位)、IMF40位(vs. 国家競争力22位)
米政府も、知的財産執行調整官(IPEC)がアニュアル報告書(Annual Report on IP Enforcement)を発刊
発刊の経過
- 知財権関連部署※の保護執行現状を基に作成し発刊(2013.4~11)
※法務部、文化体育観光部、特許庁、警察庁、関税庁及び貿易委員会など計11部署 - EBookの製作発刊及び知財委のウェブサイトに広報(2014.1)
- 国際機関、在外公館及び主な貿易先、機関、団体に英文版を作成して配布(2月中)
主な内容
- 最近の特許、商標及び著作権などの知的財産権の保護執行の成果を集約
法令の整備、組織強化、侵害の取り締まり及び捜査、海外の知財権保護など
今後の計画
- 毎年定期的に発刊、国内外の主な期間に配布予定(12月中)
- 情報の共有、保護政策の評価、懸案への対応など、保護政策の効率性を向上させるため、知財委の主管で(仮称)「知財権の保護政策協議会」を運営(2014.1~)
添付資料
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
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