ビジネス関連法

新外商投資商業企業と外高橋貿易企業の比較

2004年7月9日作成
2019年3月20日更新

上海外高橋保税区(以下「外高橋保税区」という)は中国で初めて設立された保税区です。外高橋保税区はこれまで外商投資企業が中国で投資する際に最も注目を浴びているエリアの一つでした。また本稿のテーマとして掲げている、外商投資企業を外高橋保税区内に設立した場合と外高橋保税区外に設立した場合の比較は、外商投資企業が中国で投資するにあたり注目されているテーマの一つでした。(備考:すでに廃止されている「外商投資商業分野管理弁法」によると、外商投資商業企業とは通常、卸売、小売、コミッション代理、輸出入及び附帯業務(以下「卸売り及び小売業」)に従事する外商投資企業を指す。)

時の流れとともに状況が変わり、中国国内には現在、自由貿易試験区(以下「自由貿易試験区」という)が複数設けられており、例えば、中国(上海)自由貿易試験区は外高橋保税区を軸として設置されています。
次に、中国では現在、外国投資者による投資に対して参入前内国民待遇+ネガティブリスト(特別管理措置)による管理制度を実行しています。またネガティブリストは自由貿易試験区版と全国版(自由貿易試験区外に適用される)に大別されます。全国版のネガティブリストと比べると、自由貿易試験区版のネガティブリストの特別管理措置の項目はさらに少なくなっており、対外開放措置が適用される項目のほうが多くなっています。
また、「外商投資商業分野管理弁法」が廃止された後、外商投資商業企業という言い方はすでに適切ではなくなっており、卸売及び小売業に従事する外商投資企業という言い方のほうが適した言い方であろうと思われます。 以上をまとめると、現在、本稿のテーマについては、「卸売および小売業に従事するにあたり、外商投資企業を自由貿易試験内に設立する場合と自由貿易試験区外に設立する場合の比較」に調整したほうがよいであろうと、思われます。

現在、たばこ製品の卸売・小売業が自由貿易試験区版のネガティブリストおよび全国版のネガティブリストで外国投資者による投資が禁止されている分野に該当することを除いては、外商投資企業が他の製品の卸売・小売業に従事するにあたっては、ネガティブリストによる管理は適用されず、外国投資者による投資が認められています。このため、卸売・小売業について言えば、外資参入方面では、外商投資企業を自由貿易試験区内に設立する場合と自由貿易試験区外に設立する場合とでは、ほとんど違いはありません。

また、卸売・小売業に従事する場合について言えば、外国投資者が投資する上で特に注目されている企業設立の手順・公的手続き、登録資本のルール、経営範囲、分公司設立、企業所得税率等は、外商投資企業を自由貿易試験区内に設立する場合と自由貿易試験区外に設立する場合とでは、ほとんど違いはありません。