ビジネス関連法

増資の場合の持分比率計算例

2013年12月31日作成
2019年3月4日更新

増資をする場合、その引受けは既存の投資者が元の持分比率の割合で引受けするのが原則で、その場合、増資後も持分比率は変わりません。
増資前の持分比率で増資を引受けない場合、または、新規投資者が新たに投資参加する場合は一般的に増資後の持分比率の再計算をする必要が生じます。ここでは、以下の例示により持分比率計算の基本的な考え方を紹介いたします。もちろん処々の事情により当事者同士の合意に基づく持分比率にしてもかまいませんが、税務上課税が発生する可能性がありますので留意が必要です。

【例】
設立時の投資額が1,000でAが600(60%)、Bが400(40%)を投資していたが、将来1,500の増資を行い合計2,500の登録資本にする予定である。増資分1,500の引受けのうちAが500、Bが200、新たにCが800を引受けるものとする。

持分比率の再計算には設立時(当初の投資時)から増資前までに純資産(貸借対照表の資本の部)がどれだけ増減したかを明確にする必要があります。その方法として現在の時価純資産を評価することになりますが、中国の場合は帳簿価格の純資産と時価評価した純資産にあまり乖離がないことが多く、帳簿純資産を使用する場合も多く見られます。.ただし、国有資産を投資した中国側投資者の持分変更を伴う場合は、国有資産の価格評価機構の評価を参考にし国有資産管理部門の確認を得なければなりません。

【例】のケースにおいて、純資産の評価をした結果、増資前の純資産額が1,600になっていたとすると、増資後の新たな持分比率は以下のように計算できます。

Aの増資前の持分 1,600×60%=960
Bの増資前の持分 1,600×40%=640
増資後の純資産評価額 1,600+増資額1,500=3,100

増資後
Aの持分比率(960+500)÷3,100≒47.1%
Bの持分比率(640+200)÷3,100≒27.1%
Cの持分比率 800÷3,100 ≒25.8%

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