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中華人民共和国会社法(2013年改正)

作成日:2014年1月27日

【法令名称】
中華人民共和国会社法(2013年改正)
【発布機関】
全国人大常委会
【発布番号】
主席令第8号
【発布日】
2013年12月28日
【実施日】
2014年3月1日

主旨と目的

会社設立の敷居を下げ、投資者の負担を軽減し、会社参入の利便を図る。

内容のまとめ

本法令は現行の「会社法」に対し12ヶ所の改正を行い、主に次の3つの内容が含まれる。
一、登録資本の払込登記制が引受登記制へと変更された。二、登録資本の登記条件が緩和された。三、登記事項及び登記書類が簡素化された。以下に簡潔に紹介する。

改正事項
登録資本の払込登記制から引受登記制への変更
  • 次のことを明確にした。有限責任会社の登録資本は会社登記機関で登記した全出資者が払込を引き受けた出資額とする。株式会社が発起設立方式で設立された場合、登録資本は会社登記機関で登記された全発起人が払込を引き受けた株式資本総額とする。
  • 法律、行政法規及び国務院の決定で会社の登録資本の実際の払込について別途規定がある場合を除き、会社出資者(発起人)は会社設立の日から2年以内に全額を出資し、投資会社は5年以内に全額を出資しなければならないという規定を取り消した
  • 一人有限責任会社の出資者は一括で出資全額を払い込まなければならないという規定を取り消した。
  • 会社出資者(発起人)が自主的に引受出資額、出資方式、出資期限などを定めた上で、会社定款に記載する方式を採用する。
登録資本の登記条件の緩和
  • 会社の登録資本最低限度額について別途規定がある場合を除き、有限責任会社、一人有限責任会社、株式会社の最低登録資本をそれぞれ3万元、10万元、500万元とする規制を取り消した。
  • 以後、会社設立時の全出資者(発起人)の初回出資比率及び貨幣出資比率を制限しない。
登記事項及び登記書類の簡素化
  • 会社出資者の引受出資額、会社の実際払込資本は、以後、登記事項とならない。
  • 会社登記時に、出資検証報告書を提出する必要はない。

日系企業への影響

企業設立の参入緩和(登録資本の「引受制」などを含む)は、国際的に通用している企業管理方式であり、今次「会社法」改正の主な内容はまさに国際慣例とのすり合わせである。登録資本の「引受制」などはこれまでに中国(上海)自由貿易試験区において試行されており、今回は正式に中国全国範囲で施行された。中国国内で現地法人を設立する日本国の投資者、又は登録資本の追加を準備している日系企業にとっては、本法令はいずれも投資者の負担を軽減するものとなる。

留意点として、企業設立の「参入緩和」と「厳格な監督管理」は、国際的に通用している企業管理方式における不可分の構成部分である。如何にして有効な監督管理措置を通じ、登録資本「引受制」の状況における出資者の信義誠実と自律を監督管理するか、如何にして債権者又は投資者利益を保証するか、如何にして取引の安全を保障するかは、非常に重要な課題である。本方面での付帯制度については、今後も重点的に注目していくことが望ましい。

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