インターネット商品取引及び関連サービス行為管理暫定弁法
2010年6月17日作成
- 【法令名称】
- インターネット商品取引及び関連サービス行為管理暫定弁法
- 【発布機関】
- 国家工商行政管理総局
- 【発布番号】
- 国家工商行政管理総局令第49号
- 【発布日】
- 2010年5月31日
- 【施行日】
- 2010年7月1日
主旨と目的
インターネット商品取引及び関連サービス行為を規範化し、消費者及び事業者の適法的権益を保護し、インターネット経済の持続的且つ健全な発展を促す(第一条)。
内容のまとめ
本法令は合計で六章、四十四条からなり、インターネット商品取引及び関連サービス行為について定めている。本法令の主な内容について、下記の通り、簡潔に説明する。
項目 | 主な内容 |
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総則 (第一条から第九条) |
主に次の内容が含まれる。 立法根拠、立法趣旨と原則、立法調整の対象、インターネット商品事業者及びインターネットサービス事業者の経営原則、工商行政管理部門がインターネット商品取引及び関連サービス行為の発展を促す上での職責、任務及び業種の自己修養等。 |
インターネット商品事業者及びインターネットサービス事業者の義務 (第十条から第十九条) |
インターネット商品取引及び関連サービス行為の全過程及び各段階が含まれている。主に次の内容が含まれる。 市場主体参入、商品参入、取引情報、取引契約、取引証憑、取引競争、登録商標専用権及び企業名称権等の権利の保護、消費者及び事業者権益の保護等。 |
インターネット取引プラットフォームサービスを提供する事業者の義務 (第二十条から 第三十一条) |
主に下記の内容が含まれる。
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インターネット商品取引及び関連サービス行為の監督管理 (第三十二条から 第三十七条) |
主にインターネット商品取引及び関連サービス行為の監督管理職責について定めている。
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法律責任 (第三十八条から 第四十一条) |
主に、本法令に違反した場合の法律責任について定めている。
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日系企業への影響
本法令の日系企業への影響について、下記の通り、簡潔に説明する。
- 本法令は、インターネット商品取引及び関連サービス行為を工商行政管理部門の監督管理範囲に組み入れ、主に中国国内にてインターネット商品取引及び関連サービス行為を行う事業者、インターネットサービス事業者及びインターネット取引プラットフォームサービスを提供する事業者に対する規範化を行っている。係る事業者(日系企業を含む)は本法令の規定に従い、係る事業活動を行わなければならない。
- 外商投資商業企業(日系企業を含む)、外商投資生産型企業(日系企業を含み、主に自社製造製品に対して)がウェブサイト上で、製品の宣伝、紹介のみを行う場合は、インターネット販売の経営行為に該当せず、通常は、「インターネット販売」の経営範囲を具備する必要はなく、又、「付加価値電信業務経営許可証」(以下「経営性ICP証」という)を取り扱う必要もない。
- 外商投資商業企業(日系企業を含む)、外商投資生産型企業(日系企業を含み、主に自社製造製品に対して)が自社運営のウェブサイト、又は淘宝サイト等の第三者取引プラットフォームにて、インターネット販売(オンライン注文、オンライン/オフライン決済等の行為を含む)を行う場合、通常、「インターネット販売」の経営範囲を具備しなければならず、更には、「経営性ICP証」手続きに関係する可能性もある(各地区の通信管理部門の本件についての判断、要求は一致していない)。留意すべきこととしては、以前は、外商投資企業が「インターネット販売」経営範囲、及び「経営性ICP証」を取得することの難度はとても高かく、許可されたケースもとても少なかった。しかし、現在、一部地域(例えば、上海地区)の商務部門は、「インターネット販売」経営範囲の審査許可条件を緩和しており、通信管理部門は、企業に「経営性ICP証」を取得するよう要求していないため、外商投資企業がインターネット販売を行うにあたってのハードル、難度等は若干、引き下げられている(各地主管部門の審査許可条件に対する判断等は一致していない可能性があるため、係る企業が事前に当地主管部門に入念に確認されることをお勧めする)
- 本法令は、インターネット事業者に主体の身分、営業許可証等を公開、公示するよう求めており(即ち、「実名制」の実施)、これにより、日系企業を含む他の企業が係るインターネット事業者の身分、経営範囲、所在地等の情報を把握することができるようになっており、インターネット販売における偽物製品の販売、不法ルートから入手された輸入製品(いわゆる「密輸」)の販売、偽代理店、虚偽の宣伝、商標権侵害、特許権侵害等の違法行為を撲滅し、企業の適法的権益を擁護する上で有益なものとなる。
- このほか、インターネット販売の「実名制」導入後、(主に個人インターネット事業者に対して)課税する必要があるか否かについて、国家税務総局、国家工商行政管理総局等の係る部門は明らかにしておらず、徴税面で一定の不確定性が存在する。
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