世界15カ国のバイヤーが集結、日本産食品の輸出加速へ ―ジェトロ商談会に過去最多153社が参加―

2025年08月15日

1. ジェトロで世界15カ国から16名の食品バイヤーを招へいし、日本企業の食品輸出を支援

ジェトロは、東京ビッグサイトで開催される国内の食品見本市「アグリフードEXPO」(主催:日本政策金融公庫)および「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(主催:大日本水産会)の機会をとらえ、ジェトロの海外事務所が推薦した日本産農水産物・食品の調達に意欲的な15カ国16名の食品バイヤーを招へいします。8月20日(水曜)~21日(木曜)の2日間、「アグリフードEXPO」会場内にて、「ジェトロ食品輸出商談会 at アグリフードEXPO/ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」を開催。本商談会には上記見本市の出展者を始めとして、39都道府県から、過去最多の153社が参加し(表1参照)、2日間で延べ192件の商談を行います。8月22日(金曜)は、水産品関連のバイヤーは、「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」の展示会場内を自身の関心に沿って自由に巡覧しながら商談を行い、ジェトロが通訳提供などの支援を行います。また、水産品以外のバイヤーは、埼玉県を訪ね、麺類、調味料、菓子類の企業を訪問し、日本産食品の更なる理解促進に繋げます。

2. 商談会参加事業者は水産品関連と調味料関連が半数を占め、更なる輸出拡大に期待。

今回の商談会に参加する国内事業者(サプライヤー)の主要な取扱商品について、品目別では「魚介類・水産加工品」として水産品関連が47社と最も多く、全体の約3割を占めています。具体的な商品は、天然魚(サバ、マグロ等)、養殖魚(ブリ、マダイ等)、海藻類、練り物、干物など幅広く、北米・中南米、欧州、アジア・オセアニア、中東など11社のバイヤーが商談を希望しています(表2、3参照)。2023年8月にALPS処理水の海洋放出が開始されて以降、ジェトロは、同品目の新たな輸出先の開拓に向けて取り組んできており、中国の輸入一部再開後においても、海外販路の多角化が見込まれています。
また、次に多いのは「調味料・食用油・ドレッシング・スパイス」で、38社と全体の約2.5割を占めており、欧米を中心として8社のバイヤーが商談を希望しています。具体的には、味噌・醤油を始めとして、ドレッシング、ソース、鍋スープなどが並び、ポン酢、山椒など多岐に渡ります。新たな傾向としては、グルテンフリー、ヴィーガン、ハラールなど海外市場でのニーズを強く意識しつつ、日本産食品の良さを生かしながら現地の食品トレンドに適合する商品の売り込むに挑戦する事業者が見られます。
農林水産省が8月4日に発表した、財務省貿易統計に基づく2025年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出実績外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、過去最高の8,097億円を記録し、品目別で見ても、水産物全体で前年同期比20.1%増、加工食品は8.5%増と、今回の商談会でも人気の高い商品群などの輸出額が伸びています。日本食レストランの増加やインバウンドによる日本食への関心の高まりなどから日本産食品の輸出が拡大しているとされる中、ジェトロでは、日本政府が掲げている2030年までの5兆円の農林水産物・食品の輸出目標に資するべく、今後も海外での商談会や見本市のみならず、このような海外バイヤーの招へいによる商談機会を日本国内において提供していきます。

「ジェトロ食品輸出商談会 at アグリフードEXPO/ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」開催概要

日時
2025年8月20日(水曜)~8月21日(木曜)10時00分~16時00分
会場
東京ビッグサイト(江東区有明3-11-1) 東4ホール「アグリフードEXPO東京」内
主催
ジェトロ
後援
日本政策金融公庫、大日本水産会
参加日本企業
153社(39都道府県)
開催方法
対面式(事前マッチング制)の商談、1商談あたり40分(2日間で192件の商談を予定)、 ジェトロにて通訳手配
募集ページ
その他
当商談会に先駆け、8月17日(日曜)~19日(火曜)に、今回ジェトロで招へいする海外バイヤーのうち7社が宮城県・仙台市での商談会(「食品輸出商談会 in 東北」、国内事業者44社参加)、東北地方での企業視察を予定しています。
詳細ページ
表1:サプライヤーの県別の事業者数(全社)
32社 東京都
10社 静岡県
8社 福島県
7社 神奈川県、静岡県
6社 兵庫県
5社 埼玉県、千葉県、富山県、熊本県
4社 茨城県、岐阜県、愛知県、三重県、福岡県
3社 北海道、石川県、奈良県、広島県、徳島県、香川県
2社 宮城県、秋田県、福島県、栃木県、福井県、島根県、長崎県
1社 青森県、群馬県、新潟県、長野県、滋賀県、京都府、和歌山県、岡山県、山口県、高知県、鹿児島県
表2:品目別サプライヤー事業者数
【品目別 サプライヤー参加事業者数および割合】
No 品目名 事業者数
1 水産加工品・魚介類 47 30.7%
2 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス 38 24.8%
3 菓子類 15 9.8%
4 米・雑穀・麺類 12 7.8%
4 冷凍食品 12 7.8%
6 飲料 7 4.6%
7 缶詰・瓶詰・粉類・乾物 6 3.9%
8 その他 5 3.3%
9 酒類 4 2.6%
9 野菜・フルーツ 4 2.6%
11 健康食品 2 1.3%
12 精肉 1 0.7%
153 100.0%
【昨年度の商談風景
【昨年度の商談風景

昨年度の商談風景

表3:参加バイヤー 一覧 
No 地域 国・都市名 参加バイヤー名 バイヤー業種 優先度1位の関心品目 優先度2位の関心品目 優先度3位の関心品目
1 北米・中南米 カナダ・
トロント
Allseas Fisheries Corp. 商社・卸売業、小売業、食品加工業者 魚介類 水産加工品 冷凍食品
2 北米・中南米 コロンビア・
メデジン
ATLANTIC FS S.A.S 商社・卸売業、小売業 魚介類 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス 冷凍食品
3 北米・中南米 メキシコ・
グアダラハラ
COMERCIAL TOYO. S.A. DE C.V 商社・卸売業、小売業 水産加工品 魚介類 菓子類
4 欧州・ロシア・CIS 英国・
ロンドン
Longdan Ltd. 商社・卸売業、小売業 菓子類 水産加工品 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス
5 欧州・ロシア・CIS 英国・
サリー
Wismettac Harro Foods Limited 商社・卸売業 冷蔵食品 健康食品 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス
6 欧州・ロシア・CIS スペイン・
マドリード
Cominport 商社・卸売業 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス 水産加工品 米・雑穀・麺類
7 欧州・ロシア・CIS フランス・
ティエイ
PARIS STORE 商社・卸売業、小売業 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス 菓子類 米・雑穀・麺類
8 欧州・ロシア・CIS ルーマニア・
オラデア
SC Adriatic Sea fish Srl 商社・卸売業 魚介類 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス 冷凍食品
9 アジア・オセアニア インド・
ニューデリー
ROYAL SEAS ENTERPRISES 商社・卸売業、小売業 魚介類 米・雑穀・麺類 野菜・フルーツ
10 アジア・オセアニア インドネシア・
ジャカルタ
PT Sumber Mutu Utama (Djarum Group) 商社・卸売業、小売業、フードサービス(外食) 菓子類 冷蔵食品 健康食品
11 アジア・オセアニア 韓国・
ソウル
MOUTONG CO., LTD. 商社・卸売業 冷凍食品 菓子・スイーツ 米・雑穀・麺類
12 アジア・オセアニア タイ・
バンコク
Todokeru Foods Co., Ltd. 商社・卸売業 冷凍食品 酒類 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス
13 アジア・オセアニア マレーシア・
クアラルンプール
SENRI (M) SDN BHD 商社・卸売業、小売業 水産加工品 野菜・フルーツ 魚介類
14 アジア・オセアニア オーストラリア・
メルボルン
Oceania Seafoods 商社・卸売業、小売業 魚介類(冷凍) 魚介類(冷蔵) 缶詰・瓶詰・粉類・乾物
15 中東・アフリカ アラブ首長国連邦・
ドバイ
SAFCO INTERNATIONAL GENERAL TRADING L.L.C. 商社・卸売業、フードサービス(外食) 魚介類 缶詰・瓶詰・粉類・乾物 調味料・食用油・ドレッシング・スパイス
16 中東・アフリカ サウジアラビア・
リヤド
SITAF SAUDI CO FOR TRADE 商社・卸売業 魚介類 米・雑穀・麺類 飲料

ジェトロ 農林水産食品部事業推進課(国内事業チーム)(担当:中川、関根)
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Tel:03-3582-8356 E-mail:afb_shoudankai@jetro.go.jp