UNDPとSDGsに係る覚書を交換
アジア・大洋州地域におけるSDGs達成を推進

2018年7月

ジェトロは7月8日(日曜)、シンガポールで開催された世界都市サミットにおいて、国連開発計画(UNDP)と覚書を締結しました。同覚書の目的は、両者が協力し、アジア大洋州地域の各都市と日本の民間企業、スタートアップおよび地方公共団体などを結び付けることで、同地域の都市が抱える諸課題を克服し、SDGs達成などに貢献することにあります。ジェトロとUNDPがMOUを取り交わしたのは初めてとなります。

協力の第一弾として、ジェトロとUNDPは東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国 26都市を対象とするASEANスマートシティネットワーク(ASCNExternal site: a new window will open)の構築を支援していきます。東南アジアの都市では、エネルギー、環境問題などの解決すべき問題が山積しています。これらを最新テクノロジーの活用を通して解決するため、ASEANは4月の首脳会合でASCN構想を発表しました。同ネットワークにはベトナムのホーチミン、ハノイ、ダナン、インドネシアのジャカルタ、バニュワンギ、マカッサルなどASEAN域内の26都市が参画しています。

日本は経済発展の過程で、都市渋滞、環境問題等に直面し、それらを克服してきました。現在、ASEAN諸都市は日本が経験してきた同様の問題を抱えており、その問題解決に日本の自治体・企業が有するノウハウや経験を活用できると期待されています。ジェトロはこのような日本の自治体・企業とのネットワークを有する一方で、UNDPはASEAN域内の地元当局ニーズを広く認知しています。

ジェトロは既に「日ASEANにおける新産業創出支援」事業や「社会課題解決型ルール形成支援プロジェクト」等を通してアジア・大洋州地域でのSDGs達成に貢献しているところです。今後はUNDPがこれまで支援対象としてきた同地域の諸問題、いわゆる「ニーズ」と、課題先進国である日本の民間企業等が保有する技術や問題の解決法といった「シーズ」を、セミナー等を開催することでマッチングさせていきます。

MOU署名後の記者会見で、佐藤百合ジェトロ理事は「本MOUがジェトロとUNDPにとって、日本の民間企業とASEANの都市がSDGs達成のために協力を深めていくきっかけとしたい」と述べました。

ジェトロは、日本企業がこれまでに培ってきたイノベーション力、また先進国として先行的に様々な社会問題を経験、解決してきているノウハウ等を活かして、「諸外国の社会問題を解決する日本」という姿を強く訴求し、日本のリブランディング、海外企業との連携、都市間交流の促進等を更に進める必要があると考えております。今回の覚書締結はこれらを具体化する後押しするものとなります。

MOU署名後、記念撮影に応じる佐藤百合・ジェトロ理事(前段左)と、バレリー・クリフ・UNDPアジア太平洋地域副局長(前段右)。
立ち合いはビビアン・バラクリシュナン・シンガポール外相(後段左)とモハマド・ザキ・国家開発省国務大臣(後段右)