ジェトロ・ヨハネスブルク事務所

産業を中心とした製造・流通課題の克服に向けた製造DXと持続可能性への挑戦(ナイジェリア)

ナイジェリアのFMCG(消費財)セクターは、先進的な流通システム、コールドチェーン物流、配送車両や倉庫の近代化、テクノロジーを活用したサプライチェーン管理の分野で大きな課題を抱えています。また、生産効率の向上、廃棄物の削減、イノベーション推進のためには、リーン生産方式の導入、自動化、研究開発機能の強化が急務です。こうした課題の解決には、日本企業との技術連携や投資による協業が大きな鍵となります。

メッセージ

担当者:Mr. David Asama Dogeni
役職:Senior VP Technology UACN PLC & Head, 1879 Tech Hub

ナイジェリアは、特にソフトウェア分野において急成長するスタートアップ・エコシステムで広く知られています。一方で、ハードウェアの整備やソフトウェアとハードウェアの連携や統合において依然として課題が残されています。
UACは、ナイジェリアの製造業を担う主要企業の一つとして、工場・倉庫・物流のさらなるスマート化と効率化の方法を模索しています。人口が急増するナイジェリアにおいて、持続可能かつ拡張可能なオペレーションを実現するために、日本の製造業DXの技術や知見を取り入れることに強い関心を持っています。また、製造業へのクリーンエネルギーの導入やESG基準への適合も、当社にとって重要な経営課題の一つです。当社では、自社イノベーションセンターの活用や日本企業との技術提携を通じて、自社グループ会社の課題解決を図るとともに、そこで得た成果や知見をナイジェリア国内やアフリカ域内の製造業者とも共有し、広くのビジネス展開していくことを視野に入れています。
J-Twendeを通じて日本とナイジェリアが共に価値を創出できるようなパートナーの皆様と出会えることを楽しみにしています。

チャレンジ詳細

Challenges
  1. 日本の先進的な流通システム(JIT、コールドチェーン、在庫管理)をどのように活用し、ナイジェリアの物流ネットワークを最適化し、傷みやすいFMCG商品の廃棄を削減できるか?
  2. ナイジェリア全土でのFMCG市場へのリーチとサービスレベル向上のために、ブランド車両、地域配送センター(RDC)、自動化倉庫などの近代的な流通インフラへの投資をどのように推進できるか?
  3. ERP、RFID、AIによるルート最適化など、日本の流通テクノロジーをどう統合し、配送効率の向上、コスト削減、リアルタイムでの可視化を実現するか?
  4. 日本のリーン生産方式(カイゼン、JIT、シックスシグマ)や自動化をどう導入し、ナイジェリアのFMCG製造現場における生産性向上・廃棄物削減・品質向上につなげるか?
  5. 日本の研究開発や商品開発の強みを活かし、進化する消費者ニーズに応える新しいFMCG商品を共同開発するにはどうすればよいか?
  6. FMCGの製造現場において、脱炭素化・エネルギー効率の向上・ESG基準への準拠のために、クリーンエネルギーや再生可能エネルギーをどのように導入すべきか?
  7. ナイジェリア国内に広く展開する小売店やレストランチェーンに対し、環境に優しく、コスト効率と信頼性を両立したクリーンエネルギーソリューションをどのように展開し拡張できるか?
Collaboration Needs
  1. JIT、温度管理、在庫の自動管理、最適な倉庫運用など、日本の高度な流通・コールドチェーン技術を導入し、品質保持や廃棄削減、物流全体の効率化を実現。
  2. 日本の自動車メーカーなどとの連携によるブランド配送車両の導入、地域配送センター(RDC)の整備、倉庫設計・在庫管理のベストプラクティス導入による物流インフラの近代化。
  3. ERP、RFID、AIルート最適化といった日本の技術を活用し、FMCG企業の配送効率を高め、物流コストを削減、リアルタイムでの可視化を実現。
  4. カイゼン、JIT、シックスシグマといった日本の生産方式と、包装・ボトリング・倉庫オートメーションの導入により、生産性向上、無駄の削減、製品品質向上を実現。
  5. 日本企業の研究開発力や試験施設との連携により、ナイジェリアおよび西アフリカの消費者ニーズに応じた商品を共創・商品開発。
Opportunity
  1. スマート物流と流通インフラの進化
    日本のJIT、 コールドチェーン、ERP、RFID、AIによる最適化技術を活用することで、ナイジェリア企業は鮮度保持、物流効率、在庫可視化を実現。UACが持つテクノロジーハブと連携し、日本企業の持つ機器や管理システムの統合や現地導入の機会となり、成長市場での技術実証とビジネス拡大につなげる可能性がある。
  2. 製造現場のDXと持続可能性の両立
    日本のリーン生産方式や自動化技術を導入することで、生産性と品質の向上に加え、工場や小売・レストランの再生可能エネルギー導入を通じた脱炭素かも可能に。同社はESGを意識した成長モデルの確率を目指しており、日本企業の持つ製造DXや再エネの技術提供により中長期的な協業を構築できる。
  3. 現地市場向け製品の共創とR&D連携
    日本企業の研究開発能力と現地ニーズを掛け合わせた共創によって、地域に最適な商品開発が可能に。アフリカ企業は差別化と競争力強化を、日本企業は市場理解の進化と新商品開発の海外展開を図るチャンスを得られる可能性がある。
Assets/Support
  • アフリカ地域の流通・販売チャネルおよびグループ企業ネットワーク
  • 社内の研究開発施設・試験ラボの活用
  • 稼働中工場でのPoC(概念実証)導入環境
  • 親会社および投資家からの財務的支援

チャレンジオーナーについて

UACは、アフリカにおける主要な消費者向けブランドの国内製造、販売および流通に焦点を当てた持ち株会社です。同社はナイジェリア全土に9つの製造施設と複数の物流・配送拠点を展開し、5,000人の従業員を擁しています。

ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます