株式会社 中本酒造店

1300年前の酒造りを世界へ。ストーリー価値で海外市場を切り拓く

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輸出品目:
日本酒、焼酎
おもな輸出先:
米国、中国、シンガポール、ドイツ、フランス


290年の酒蔵再生から生まれた、世界に一つの海外展開戦略

サービスご利用の背景

株式会社中本酒造店は、1727年創業の歴史を有する奈良県の酒蔵である。
しかし近年、前蔵元が事業継続の困難から廃業を決意。長い歴史を持つ酒蔵を絶やしたくないとの思いから、異業種出身の現社長が13代目蔵元として事業を引き継ぎ、酒蔵再建への挑戦を開始した。
経営再建にあたり同社は、利益率の高い特定名称酒への転換を進めるとともに、他社にはない独自商品として「長屋王」の開発に成功した。
国内市場の縮小が進む中、蔵の未来を切り拓くためには海外市場への挑戦が不可欠と考え、ジェトロの輸出プロモーター事業を活用し、本格的な海外販路開拓に取り組んだ。

取組・支援

「長屋王」という唯一無二のストーリーを武器に
同社最大の強みとなったのが「長屋王」である。
この商品は、1300年前の奈良時代の貴族・長屋王の邸宅跡から出土した木簡に記された酒造法をもとに再現された日本酒であり、現在の日本酒の原型ともいえる古代製法を現代によみがえらせた商品である。
その歴史的背景はもちろん、現代の一般的な日本酒とは異なる個性的な味わいも大きな特徴となっている。
輸出プロモーター(専門家)は、このストーリー性を海外市場での最大の差別化要因として位置付け、営業資料や商品提案の構築を支援した。
ストーリーを伝える営業ツールの整備
当時、同社には海外企業との本格的な商談経験がほとんどなかった。
そこで、「企業概要資料・商品規格書・プレゼンテーション資料・見積書・動画コンテンツ」など、輸出に必要な営業ツールを一から整備した。
資料では「長屋王」を中心に据え、
  • 1300年前の製法を復活させた歴史的価値
  • 商品の希少性
  • 現代の酒とは異なる特徴
  • フレンチやイタリアンとの相性
などを分かりやすく訴求した。
さらに、酒蔵のマーケティング担当者のネットワークを活用し、フレンチシェフによるフードペアリング提案も盛り込むことで、海外の非日系レストランでも提案しやすい営業資料へと仕上げた。
希少性を活かした予約受注モデルを構築
一方、「長屋王」は特殊な製法ゆえに大量生産が難しく、供給量には限界があった。
同社は輸出プロモーターとともに、供給制約を弱みではなく価値に変える戦略を検討。その結果、国別に事前予約制度を導入し、計画的な需給調整を行う販売モデルを構築した。
海外市場では珍しい予約受注方式であったが、商品の希少性や背景を丁寧に説明することで理解を得ることに成功。混乱なく取引を進められる仕組みを整備した。
特に米国では輸入業者との交渉が順調に進み、予約受注による取引モデルが確立。同社最大の輸出先へと成長した。
また、この輸入業者は和食店だけでなく現地のフレンチやイタリアンなど非日系レストランとのネットワークも有しており、「長屋王」の販路拡大に大きく貢献した。

成果・展望

こうした取組の結果、米国向け輸出は初年度で「長屋王」1,500本の予約受注に加え、その他の日本酒88ケース受注を達成することができた。
その後、販路はフランスやドイツへも拡大し、「長屋王」の独自性が海外市場で評価されるようになった。
さらに支援終了後も、海外駐在経験を持つマーケティング担当者が中心となり、現地展示会やイベントへ積極的に参加。輸入パートナーとの関係強化を継続している。
ジェトロの商談会なども引き続き活用しながら、スペインおよびオーストラリアへの新規輸出も実現した。
今後は、希少性とストーリー性を両立したブランドとして「長屋王」の価値向上を図るとともに、計画的な需給管理による持続可能な海外展開を進め、さらなる市場開拓を目指している。


1300年前の木簡

(フレンチとのフードペアリング)
赤座海老と牛蒡の茶わん蒸し
フレンチ割烹ドミニクコルビ(東京)

神龜乃黄金酒 長屋王

ご利用いただいたジェトロのサービス

株式会社 中本酒造店

奈良県生駒市
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代表取締役:栗田 佳直
創業:亨保12年(1727年)(設立平成24年11月27日)
事業内容:清酒・焼酎の製造および販売

2026年9月

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