酔仙酒造株式会社
日本酒文化を世界へ。フランス市場で「燗酒」提案が生んだ新たな商機
サービスご利用の背景
2011年の東日本大震災では津波により蔵が全壊するという甚大な被害を受けたが、翌年には大船渡市に新工場を建設し、酒造りを再開。震災から力強く復活を遂げた酒蔵として歩みを続けている。
同社の代表銘柄のひとつである濁り酒「雪っこ」は、岩手県民に広く親しまれる商品として高い知名度を誇る。 これまで米国向けには缶入り商品の輸出、韓国向けにはプライベートブランド商品の供給などを行ってきたが、欧州市場は未開拓の状況であった。そこで、更なる販路拡大を目指し、ジェトロの「輸出プロモーター事業」を活用して欧州市場への本格展開に取り組んだ。
取組・支援
- フランス市場を研究し、欧州市場向け戦略を構築
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岩手県「穀物コンソーシアム」の一員として、2025年2月にフランスで開催された展示会へ参加することとなった。
同社は輸出プロモーター(専門家)の支援を受けながら、フランス市場のトレンドや消費者ニーズを分析。市場特性に合わせた商品選定を行うとともに、海外バイヤー向けの商品提案資料の作成を進めた。
展示会では、同社の強みである「雪っこの薄にごり」を中心に提案を行い、欧州市場への本格参入を目指した。 - 「燗酒」の提案で日本酒文化の魅力を発信
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同社が特に力を入れたのは、日本酒そのものだけでなく、日本ならではの飲み方文化を伝えることであった。
岩手の純米酒は温めることで味わいがより引き立つ特性を持つ。そこで、輸出プロモーターとともに適切な温度帯や提供方法を研究し、展示会では「燗酒」として提案を実施した。
単なる商品紹介ではなく、日本酒文化を体験として伝えたことで来場者から高い評価を獲得。現地ディストリビューターとの成約につながり、同年7月にはフランス向け初出荷を実現した。 - 現地パートナーとの連携で販路定着を推進
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初出荷後も販路定着に向けた活動を積極的に展開した。
商品到着直後の10月には、フランス・ナントで開催された展示会へ再度参加。現地ディストリビューターとの同行営業を実施するとともに、小売店での試飲販売にも取り組んだ。
さらに、現地には杜氏も同行。実際に酒造りを担う杜氏が製法やこだわりを直接説明したことで、日本酒に関心の高いフランスの愛好家や飲食関係者から大きな反響を得た。
こうした継続的な販促活動と丁寧な関係構築により、初回出荷分は約2カ月で完売し、追加注文の獲得につながった。
成果・展望
一連の取組により、フランス市場での販路構築に成功した。
現在ではパリの人気居酒屋業態の飲食店で採用されるなど、ブランド認知の向上にもつながっている。
2025年9月の販売開始以降は継続的に受注を獲得しており、品質を維持するため大量出荷ではなく、計画的なフレッシュローテーションによる供給体制を構築。品質管理と顧客満足度の両立を実現している。
また、フランス市場で培った経験と販売実績を基盤に、今後は周辺欧州諸国への販路拡大も視野に入れている。 震災から復活した酒蔵として培ってきた挑戦の精神と、日本酒文化の魅力を強みに、更なる海外展開を進めていく方針である。
新築された大船渡蔵
杜氏による酒造り
フランス、ナントの展示会
ご利用いただいたジェトロのサービス
酔仙酒造株式会社
岩手県陸前高田市
https://suisenshuzo.jp/ ![]()
代表取締役社長:金野 連
創業:1944年9月
事業内容:日本酒の製造・販売
2026年9月





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