株式会社山下誠志堂 田中酒造店

伝統を守り、世界へ挑む
海外見本市とオンライン商談で輸出額100倍を実現

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輸出品目:
日本酒
おもな輸出先:
カナダ、スペイン、香港、インドネシア、豪州

230年の伝統を礎に、世界市場への挑戦を加速

サービスご利用の背景

株式会社山下誠志堂 田中酒造店は、創業230年を超える歴史を持つ酒蔵である。
麹蓋(こうじぶた)による伝統的な製麹技術を継承し、生酛造りや山廃造りを中心とした酒造りを続けている。
香りを過度に強調せず、料理に寄り添う食中酒として地元で長く親しまれてきた。
一方で、国内市場の縮小や消費環境の変化を背景に、海外市場の開拓を重要な成長戦略として位置付けた。しかし、そのタイミングは新型コロナウイルス感染症の世界的流行と重なり、海外営業活動が大きく制限される難しい状況にあった。
こうした環境下においても海外展開を加速させるため、ジェトロの「輸出プロモーター事業」を活用し、本格的な販路開拓に取り組んだ。

取組・支援

オンライン商談を武器に海外市場へ挑戦
コロナ禍により海外渡航が困難となる中、同社は限られた商談機会を最大限活かすため、オンライン商談への対応強化に取り組んだ。
輸出プロモーター(専門家)の支援を受けながら英文商談資料を新たに作成し、度重なるブラッシュアップを実施。伝統的な酒造りの特徴や商品の魅力を海外バイヤーに分かりやすく伝える内容へと磨き上げた。
商談には輸出プロモーターも同席し、提案内容の改善やフォローアップを支援。その結果、多くの海外商談に参加することができ、オーストラリアの大手流通グループであるエンデバーグループ傘下の小売チェーンとの成約を実現した。
同社の純米吟醸酒は約20,000本の輸出につながり、海外展開の大きな一歩となった。
リアルの場で市場理解を深める
同社は親会社のグローバルネットワークも活用しながら、コロナ禍においても可能な限り海外見本市への出展を継続した。
現地では日本酒に対する嗜好や市場ニーズの把握に努めるとともに、バイヤーとのネットワーク構築を推進。コロナ収束後は蔵元自らが現地へ赴き、商品の特徴や酒造りに対するこだわりを直接伝える営業活動を積極的に展開した。
こうした継続的な対話が、海外市場での信頼構築と販路拡大につながった。
伝統を守りながら差別化を推進
一方で、同社は伝統的な酒造りを守るだけでなく、新たな市場ニーズへの対応にも積極的に取り組んだ。
ビーガン認証やコーシャ認証を取得するとともに、海外市場向けの輸出限定銘柄を開発。世界各地の多様な食文化や価値観に対応できる商品提案を進めた。
その結果、世界中から富裕層が集まるモルディブの高級リゾートホテルへの採用が実現。現在も継続的な受注につながるなど、プレミアム市場での評価獲得にも成功している。

成果・展望

こうした取組の結果、支援開始から3年で輸出事業は大きく成長した。
決算ベースの輸出額は支援開始前と比較して約100倍に拡大。さらに輸出先は20カ国を超えるまでに広がり、海外事業は同社の成長を支える重要な柱へと成長した。
この成果は、オンライン商談と海外見本市を効果的に組み合わせながら、市場ニーズを的確に捉え、伝統的な酒造りの価値を世界へ伝え続けてきた結果である。
今後は既存市場からの継続受注を確実に積み上げるとともに、新たな市場開拓にも積極的に挑戦し、海外売上比率のさらなる向上を目指している。
230年以上にわたり培ってきた酒造りの伝統を守りながら、その価値を世界へ届ける挑戦は、これからも続いていく。

輸出主力商品と麹室

ヴィーガン・コーシャ認証

豪州の小売店

ご利用いただいたジェトロのサービス

株式会社山下誠志堂 田中酒造店

宮城県加美郡
https://www.manatsuru.co.jp/ 外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表取締役:小林 正典
創業:寛政元年(1789年)
事業内容:清酒製造業

2026年9月

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