清原株式会社
「現地事情に入り込める貿易の専門商社」として
清原株式会社は90年以上の歴史を持つ大阪の専門商社。もともとは服飾資材や手芸・クラフト用品に強みを持つ専門商社としての側面が強いが、現在はファッション分野を越え、マーケットに合わせた商品を海外に提案する商社としての役割を強めている。特にまだ日本の製品が多くは流通していない、日本にとっての未開拓の市場をターゲットに、日本の製品を売り出している。
大阪府大阪市 ウェブサイト
- 展開国・地域:
- 全世界
- 取扱製品:
- 服飾資材並び繊維資材、手芸・クラフト用品、日用品等

ラオスでの商談の様子
90年の歴史を大切にしながらとらわれ過ぎず、チャレンジを大切に
当社は、90年以上の歴史を持つ大阪の専門商社です。もともとは服飾資材や手芸品・クラフト品の取り扱いに強みを持ち、輸出・輸入のノウハウと実績を強みとして取り組んできました。数年前からは、円安の後押しも受け輸出に更に注力していく方針となり、当時輸出・輸入ともに最大の相手国であった中国の、周辺国をターゲットとして検討を進めました。当社の強みであった服飾資材にこだわらず、相手国のマーケットを見て、どのようなものが売れそうかを検討することにしました。欧州向けには別のチームがアパレルや手芸用品を中心に担当していたため、私たちは東南アジア地域をターゲットとし、まずはベトナムから着手し始めました。
ベトナムでは、現地のお客様に何が売れそうか、人気が出そうかのニーズを調査しました。海外出身のメンバーがチームにいるため、現地の消費者や販売先のニーズを細やかに把握することができます。結果、服飾品だけでなく、日用雑貨や化粧品、伝統産品(陶器やカトラリーなど)が候補になりましたが、当社はこの分野では日本のメーカーに名前が知られていないこともあり、お取引させていただくのに苦労することもあります。現地のお客様のニーズを元に提案書を作ったり、1社1社のご意向や状況に合わせて、お取引の規模や方法を細やかにご提案するなど粘り強く丁寧にお話し、お取引していただいた場合には上手くいったこともいかなかったことも、誠心誠意報告することで、信頼関係を構築するように努めました。
東南アジアでは日本に対するあこがれのような思いは残っていますので、日本製品にはまだまだ多くの可能性があると考えています。

ベトナムの店舗を視察し、現地のニーズを調査

ベトナムの百貨店では日本の伝統的な陶器を販売している
未開拓の地であっても輸出する道を見つける―ラオスへの挑戦

ラオスで初めてチャレンジした展示会の様子
ベトナムでは複数の販売先と継続的な取引が開けました。しかしベトナムには既に日本の商品が数多く輸入されていることや、取引先の拡大に一度目途が付いたことから、ベトナムの周辺国にも類似のニーズがあるのではないかと考え、調査を開始しました。
具体的には、日本の製品・企業がまだあまり参入していない国が良いだろうと考え、ラオスに着目しました。 ラオスは当社にとっては未開拓の地。2025年2月にジェトロのラオス商談会に参加しましたが、参加企業は12社のみで、商社は当社だけ。現地では日本の商品はほとんど見かけませんでした。
ラオスは海の無い内陸国ですから貿易としてはコストがかかってしまいますし、人口も平均所得も少ないため、日本の企業から見ると魅力の小さなマーケットと捉えられているように思います。仮に日本のメーカーが1社で輸出しようと考えるとそんなに多くの販売が見込めないためコンテナを仕立てることが難しい。ですが商社である当社は、各メーカーから商品を少しずつ集めてコンテナに混載することが可能です。ラオスのような小さな市場だからこそ、この強みが活きると考えチャレンジすることにしました。その後も数回ラオスに足を運び、販売先を開拓し、この夏に初めてコンテナを送ることができました。
まずは1歩目を踏み出したばかりですが、今後もお取引を拡大し、日本のメーカーと海外の販売先と、ともに成長していきたいと考えています。
商社として、メーカー各社を取りまとめることで新しい市場に商機を
日本企業にとってチャレンジしやすい魅力的なマーケットは、他の国の企業にとっても、もしくは日本企業同士でも競争になりやすく、次第に飽和してしまう場合があるように思います。一方で日本企業があまり参入していない新興市場では、ラオスのように日本企業1社ではチャレンジしにくい事情もありますが、私たちが商社としての強みを活かし、多くの日本企業の商品を取りまとめて混載コンテナを仕立てることで、単独では難しい輸出の道が開ける場合があることが分かりました。日本の私たちが次にチャレンジしようと思っているのはアフリカです。ナイジェリアのジェトロの商談会への参加をその第一歩として考えています。また新たな商機を日本企業に提供できる様、今後も挑戦を続けていきたいと思います。
ご利用いただいたジェトロのサービス
清原株式会社
大阪府大阪市中央区南久宝寺町4丁目5-2
https://www.kiyohara.co.jp/
代表取締役社長:斧原 正明
設立年:1948年
従業員:約320名
事業内容:服飾資材並び繊維資材、手芸・クラフト用品、日用品等の卸売販売及び輸出入
2025年8月