サイバール株式会社

現地ニーズ調査による販売戦略策定と、国内Amazonのノウハウを米国Amazonで活用したことで、海外の売上拡大と商品への高評価獲得を実現

サイバール株式会社は、それぞれ商品開発・販売を行う5つのブランドを運営している。 JAPAN STOREに参加するTAVARATブランド事業部は、2014年の開設以降オリジナルメンズ雑貨・小物のインターネット販売を行い、ブランドを拡大させてきた。2023年にJAPAN STORE(米国)に参加し、Amazon.comへの出品・販売を開始。

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展開国・地域:
米国
事業内容:
タオル製品・生活雑貨の小売・ネット販売/ビジネスバッグ・革製品・小物のネット販売


米国Amazon参入にJAPAN STOREの出品サポートを活用、スムーズな販売と売上拡大へ

当社はECに特化してBtoC販売を行っており、中でもAmazon.co.jpを通じた売上は大きな割合を占めています。日本国内のAmazon販売で培った販売促進のためのノウハウを、米国Amazon販売においても活用できると考え、JAPAN STORE(米国)への参加を決めました。
JAPAN STOREの出品サポートを通じて、Amazonの担当者には国内Amazonと海外Amazonアカウントの統合方法や、海外銀行口座の開設の仕方などを質問しました。海外Amazonアカウントで不備があった場合、国内Amazonのアカウントにも影響がでてしまうので出品準備は慎重に行っていたのですが、不安な点をAmazonの担当者の方と相談しながら進めることができました。また、英語が得意ではないため海外納品に不安がありましたが、JAPAN STOREプログラムでは日本語でサポートを受けることができて良かったです。おかげで出品を計画し始めてから約3か月後に販売を開始することができ、販売開始して1ヶ月後から売れ行きの良さを実感し始めました。

米国Amazon上でのニーズや競合調査をもとに販売戦略を検討、現地消費者に刺さる商品を出品

出品する前に、米国Amazonで出品予定の商品カテゴリーを検索し、ヒットする商品の販売点数 によって市場規模を把握しました。当社が出品している「ネクタイピン」のAmazon.comの販売点数は、Amazon.co.jpの販売点数 と比較して3倍もあり、市場の大きさを感じました。また、Amazon.com検索上位商品は、Amazon.co.jpの検索上位商品を上回る点数購入されており需要も確認できました。これらによって、米国においても市場と需要があると判断し、ネクタイピンの販売を決めました。
加えて、米国Amazonと日本のAmazonで売られているネクタイピンの特徴の違いを前もって確認しました。 米国と国内で販売されている商品に大きな違いがなかったため、国内向けに製造している既存の在庫を使って出品ができ、市場参入がしやすいと考えました。
また、競合商品から海外市場を把握して自社の強みと戦略を検討し、海外消費者向けのデザイン企画や、ターゲットに合わせ差別化した価格設定をしています。例えば、海外では日本よりもゴールドカラーのネクタイピンが良く売れていたため、ゴールドカラーを製造し在庫数を増やしました。カフスは日本向けには四角形を主に販売していますが、海外では丸形のカフスが多かったため、丸形のカフスを企画し販売しました。価格設定の面では、海外の「ネクタイピン」の市場で中国製の製品が多く、中価格帯・高価格帯のネクタイピンは競合商品が多くなかったため、クオリティが高い高価格戦略の商品として出品しました。

商品の魅力が伝わるページ作りで高評価を獲得。地道な広告やセールの活用が売上を拡大させる秘訣

商品ページには自社で撮影した動画を掲載しています。商品動画は商品を回転させて撮影することで、光の当たる角度によって変わる商品の色や質感をわかりやすく伝えられるよう心がけています。この動画によって、ページで見た商品画像と届いた商品のイメージが違うという、購入者からのご意見が少なくなり、高い商品レビューにつながると感じています。

また、自社では商品そのものだけでなく、商品ページも含めて商品力だと考えています。商品ページでは、購入時の見やすさを考慮して、情報の質は高めるが情報の量を増やさないことを意識しています。商品画像は6枚掲載していますが、3枚目までで商品の情報が十分伝わるような構成にしています。Amazonブランド登録によって作成したブランドページでは、セット商品と単品商品が横並びになるように配置し、スマートフォンで見た時でも見やすく表示されるように工夫しています。

初めは出品点数を絞って出品し、その中でも転換率(注1)の高い商品を中心に広告をかけて在庫を増やしました。毎日1~2個売れる状態であれば売れ筋にできる商品だと判断し、広告露出の強化やクーポン利用キャンペーンを繰り返し行っています。広告の運用方法としては、まずは入札単価を低く設定し、24時間常に自社商品の広告が運用されている状態にしました。商品に関連性の高いキーワードがある場合には、検索キーワードごとに広告が表示されるよう設定しています。定期的に広告費に対して得られた売上を計算・確認し、広告費がかかりすぎていた場合にはすぐに調整しています。JAPAN STOREの有料プランに参加したことで広告クレジットの付与があり、自社で運用している広告に利用し商品の露出をさらに増やすことができました。

セールにも必ず参加するようにしています。Amazonでのセール期間はセール対象商品にバッジがつき、消費者のほとんどがバッジのついた商品を目当てに検索します。そのため他社商品はセールに出ているが、自社商品はセールをしていない状態だと、転換率が下がってしまいます。値下げの割合は、転換率や利益率のデータを見ながら、セールの度に毎回検討しています。

BtoC販売のメリットは販売価格の変更やセール参加を機動的に取り組めることだと思うので、指標のバランスを見ながらこうした取組を継続しつつ、今後はさらに売れる商品を増やしていきたいです。

(注1)ECサイトへのアクセス数に対して、商品が購入される確率のこと。

ジェトロ担当者からの一言コメント

同社のように頻繁に購入やプロモーション効果のデータの観測や、競合商品の調査をすることが、売上の増加だけでなくEC販売のノウハウ蓄積につながっているのだと感じました。今後も出品支援や輸出に関する相談機会の提供によって、海外Amazon出品へのハードルを下げる支援を提供していきたいです。

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サイバール株式会社

大阪府泉佐野市
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代表者:前山 亮二
設立年:2010年
事業内容:タオル製品・生活雑貨の小売・ネット販売/ビジネスバッグ・革製品・小物のネット販売

2024年9月

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