渡邉製本株式会社

米国とのビジネス経験と日本の「匠」の技術を掛け合わせたオリジナルノートで海外に挑戦

東京・荒川で昭和21年から製本を中心に技術を磨き上げてきた工房、渡邉製本。オリジナルノートをひっさげ、TAKUMI NEXTプログラムに挑戦し、オンライン商談を通じて着実に海外販路を広げている。

東京都荒川区 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
米国、フランス、英国、南アフリカ
取扱製品:
ノート

左から渡邉専務、渡邉社長、海外担当河合さん

360度折り返して使えるオリジナルノートを海外に

当社はもともと国内向けに製本を行ってきましたが、2016年にオリジナルノートを開発しました。2012年に米国企業からメードインジャパンでノートを作りたいという相談があり、そこから海外向けにノートのOEM生産を行ってきましたが、自分たちが使いたいノートを作りたいという思いで開発したのが、360度折り返して使えるノート「BOOK NOTE(ブックノート)」。2019年には国内展示会で米国の書店から大きな注文を獲得したのですが、コロナ下でどうやって海外展開に取り組んでいこうと考える中で、東京都中小企業振興公社の紹介で、2021年度のTAKUMI NEXTに応募、採択されました。2022年度も引き続き参加しています。

360°開いた写真

オンラインだからこそ、海外展開が容易に

TAKUMI NEXTへの参加を通じて、フランス、英国、南アフリカのバイヤーと成約し、確実に販路は広がっています。2023年2月のNY NOWでは、Japan Streetの広報ブースに商品をサンプルとして置かせていただき、ニューヨークの有力文具店から300冊以上のオーダーを頂きました。TAKUMI NEXTではオンラインで商談を行っていますが、オンラインだからこそ、自分たちのような海外をこれから取り組もうという会社もチャレンジできていると感じています。事前にバイヤーにサンプルを送っていただけますし、また当社の強みは作り手でもあるというところで、その点はオンラインでも強みとしてPRすることができますので、オンライン商談でも成約につながっています。

渡邊製本商品

メンタリングの学びを次の商談に生かす

プログラム内で実施されるメンタリングも大変勉強になっています。海外バイヤーとの商談やメンタリングでは、日本の取引先との反応の違いから気づきを得ています。例えば、海外からは万年筆で書くとどうかという質問がありましたが、こうした質問は国内では聞かれません。インスタグラムのビジネスでの重要性と可能性はプログラム参加を通じて改めて認識しました。また、メンタリングで他社の模擬商談を聞く機会がありました。そもそも他社の資料はなかなか見る機会はないですし、説明をコンパクトに5分ほどで終えられ、双方向でのやり取りで商談をうまく進められていたことが印象的で、その後自らの商談にも生かしています。海外に取り組むには英語が話せないといけないとばかり思っていましたが、プログラムに参加してみて、英語についてはそこまで心配がいらないということが分かりました。メールやSNSでのやり取りは、DeepLを駆使すれば問題なくコミュニケーションをとることができます。越境ECや海外展示会への出展も検討したいと考えており、ジェトロのサービスをもっと活用して海外に調整していきたいと考えています。

ジェトロ担当者からの一言コメント

同社は各国メンターとのメンタリングから得られた学びを積極的に取り入れ、成約につなげているのが印象的です。70年以上磨き上げてきた匠の製本技術と、「書く楽しさ」へのこだわりが詰まったオリジナルノートを多くの海外ユーザーに届けられるよう、今後もお手伝いしていきたいと思います。

渡邉製本株式会社

東京都荒川区
http://www.booknote.tokyo/外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
代表取締役 渡邉 浩一
設立年:1946年
事業内容:書籍製本、ならびに紙製品(主にノート)の企画・製造・販売

2023年2月

関連情報

ご相談・お問い合わせ

現地日系企業の皆様

最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。