マスターズクラフト株式会社

心ときめくやきものづくりをめざして

創業1960年8月、設立1991年、開窯2007年の窯元、マスターズクラフト株式会社。2007年に社内工房としてイホシロ窯を立ち上げ、現在は30数名の職人が主に可愛らしい箸置きを制作。TAKUMI NEXTには2021年度から2年連続で採択され、米国・オーストラリア・香港のライフスタイルショップとの取引に成功。

岐阜県瑞浪市 ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

展開国・地域:
米国、中国、香港、オーストラリア、シンガポール、欧州
取扱製品:
食卓用陶磁器小物の製造(イホシロ窯)、卸、小売

左から営業部部長 五嶋広道氏、代表取締役 五嶋久年氏

円安を追い風に海外に挑む

海外展開は商社を通じ2006年から輸出を始めました。2008年に瑞浪市としてメゾン・エ・オブジェに出展した時の反応は良かったのですが、物流が整っていないこと、箸置きは用途が限られていることなどから、成約には至りませんでした。また香港では代理店契約を結び輸出を図りましたが、価格が合わなかったこともあり自然消滅しました。直接貿易を始めたのはここ1~2年で自社ホームページを通じて中国、台湾、韓国などから注文が入るようになりました。箸置きとしてではなく、ミニチュア、置き物としての使途があるようです。従来の海外輸出は利幅の薄いものでしたが、最近の円安の影響でそれが逆転し、また海外では割安感があるようで弊社としては追い風と感じています。今後は米国への展開に力を入れたいと考えていて、NY NOWなどに注目しています。また商談を行ったシンガポールのバイヤーを通じて東アジアへの展開も狙っています。

国内外で常に人気上位の箸置き「たい焼き」「みたらし団子」「三色団子」

備えあれば憂いなし。事前準備が大切

TAKUMI事業に参加するメリットはオンラインで商談ができることです。コロナ禍でもバイヤーの顔を見ながら生の声を聞くことで、文化の違いなど目に見えないことが見えてきて、手ごたえを感じることができました。2年連続で選ばれていますが、継続することで経験が積めるメリットもあります。例えば、商談の説明、その後のメールなどを英文でテンプレート化することにより、バイヤーへの反応を早くすることができました。こちらの反応が早いと、バイヤーの反応も良いと感じます。英文化については社内の英語人材や翻訳ソフトなどを活用して対応していますし、英語のカタログもあります。取引条件なども英語であらかじめ用意しておけば、それを調整して素早く対応することもできます。SNSは受注面、発信面で非常に強いツールだと思います。更新は社内で対応していますが、見映えるために写真の画質を良くするなど工夫しています。インフルエンサーに取り上げて貰えると影響は大きいです。近くに来ていたバイヤーから突然来訪する旨の連絡が入ったこともあります。また最初は戸惑いもあった運送、決済も取引をする中で最適化できてきたと感じます。特に海外との決済は手続きが煩雑なのに加え、銀行間取引が入ることにより手数料が高いのが課題でしたが、国際送金サービスなども利用することにより、スムーズに対応できるようになってきたと思います。

箸置きの他にフラワーベースも制作している

心にいつもサステイナブルなモノづくりを

商品は540種ほどありますが、国内国外で売れ筋の違いはないと思います。鮮度が大事だと考えますので、年に3~4回のサイクルで新商品をリリースしていました。しかし、今は生産が追いつかず1回ほどになっています。原材料はほぼ地のものを使用し、県内での地産地消も考えています。また、焼き物は窯などエネルギーを多く使う産業です。弊社では太陽光発電設備を導入することにより、製品が小さいこともありますが、大部分を太陽光エネルギーで焼いています。弊社はサステイナブルなモノづくりを常に心がけており、これからも力を入れていきたいと考えています。

ジェトロ担当者からの一言コメント

同社は商談を重ねるごとにバイヤーとのコミュニケーションを見直し、次に向けての準備に活かしています。商品の魅力と世界観が伝わるよう、社内で勉強しながらSNSやホームページを通じた発信に取り組まれている点が、箸置きとしてだけではなくミニチュアとしての新たな需要が海外で育まれていることにつながっていると思います。一つ一つ手作業で丹念に造形された可愛らしい箸置きを世界に広められるよう、これからもお手伝いしていきたいと思います。

マスターズクラフト株式会社

岐阜県瑞浪市
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代表取締役:五嶋 久年
設立年:1991年
事業内容:食卓用陶磁器小物の製造(イホシロ窯)、卸、小売

2023年4月

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