中日本カプセル株式会社

当社は健康食品サプリメントの受託製造を行っています。コロナ以前、旺盛なインバウンド向け需要に対し、国内需要は横ばいで推移しており、今後の国内人口減少を見据え、将来的な需要減への対処が必要だと考えていました。そのような中で、国内取引先を経由した間接輸出が増え、また同業他社も海外向けの業績が好調との情報を得て、海外展開を決めました。最初に相談した岐阜県産業経済振興センターから、「海外展開なら」とジェトロ岐阜を紹介され、新輸出大国コンソーシアムのハンズオン支援に2020年度に応募しました。当社は直接輸出の経験がなかったため、社長直轄のプロジェクトチームを作り、ハンズオン支援を最大限活用して、貿易手続きや国際取引のノウハウを教えていただきながら商談実績を重ねました。今はチームメンバーも増員し、本格的な海外展開に向けた体制を強化しています。

展開先は、ハラル対応の難しさやメディカルツーリズムの傾向などを踏まえてアジアに絞り、ジェトロなどが主催する現地視察にも参加して、最終的にベトナムに決めました。ベトナムは人口ボーナス期にあり、経済規模も大きく、政情も安定しています。また、日本語対応が可能なアライアンス企業との出会いにも恵まれました。2020年にハノイ市に駐在員事務所を設立しましたが、やがてコロナ禍が広がりました。渡航制限もあり、当社が直接現地で営業や新規開拓を行えず、販路の開拓は試行錯誤の連続でした。また、OEMで自社ブランドのサプリメントを製造する商習慣が定着していないベトナムでは、代理店への説明にも一苦労でした。ハンズオン支援では、ベトナム在住の新輸出大国パートナーがマッチングされたため、パートナーが足を運んで収集した現地の生の情報を、オンラインの打ち合わせでリアルタイムに伝えてくださったほか、当社の決めた方針に沿って、適宜、必要な軌道修正を加えながら事業運営を支援してくださいました。