株式会社宮戸川

当社は江戸下町料理にこだわった和食居酒屋を東京・江戸川橋にて営業しています。本物の和食を海外に紹介したいという思いから、日本から近く、「中国のドバイ」「世界最大の人工島」として将来も有望な中国・海南島の人工リゾートである海花島への出店を決めました。中国の大手不動産デベロッパー・恒大集団が提示したリゾート開発計画にタイムリーに応募できたことで、店舗内装費や水道光熱費の負担で有利な条件が得られたほか、スタッフの採用面でもサポートがあり、将来的な集客面を考えても、都市部への単独出店に比べて大きなアドバンテージがあると考えました。取引のある信用金庫が主催する海外展開セミナーに参加した際、海外進出するならば新輸出大国コンソーシアムのハンズオン支援が適切だとのアドバイスをいただき、以降、ハンズオン支援のパートナーによるサポートやスポット支援の法務相談も活用しながら、前に進めてきました。

進出にあたっては、ジェトロ広州事務所の協力で、現地の会計事務所や食材購入元のリストを作成し、中国ビジネスの経験が豊富なパートナーからの意見をもとに選定しました。パートナーには、中国での雇用習慣の違いについても、春節前にボーナスを支払う13カ月支払いを念頭にした方が良いなどの助言やスタッフの労務面での注意事項など、有益な指導をいただいたほか、中国や香港で飲食店の経営経験がある日本人シェフを紹介いただき、人事面をはじめさまざまなアドバイスをいただく機会を得ました。法務相談では、日中両国の弁護士資格を持つ弁護士に、雇用契約をはじめとした契約書の作成面で丁寧なアドバイスをいただきました。開業当初は社長自ら現地で立ち上げる必要があり、中国での就労ビザも取得しました。コロナ禍の中では渡航時に2週間の隔離制限もあり、現地の観光需要も低迷。加えて、2021年に恒大集団の経営悪化が顕在化すると、スケジュールはどんどんずれこみました。