窪田味噌醤油株式会社

当社は創業以来、醤油・味噌の醸造・販売を手掛けてきました。国内での味噌、醤油の消費量が減少傾向にある中で、新たな販路の拡大と、日本人とは異なる味覚を持つ海外の感覚を取り入れた新製品開発を行いたい、と海外に目を向けました。当社の役員の一人が以前勤務していた商工中金の紹介でジェトロに相談しました。当社では過去にも輸出に挑戦した経験があり、継続的な取引につながらなかった経緯もあったことから、社内では当初、海外輸出に否定的な意見もありましたが、将来的に新たな事業の柱にもなり得ると思い、私と前述の役員を中心として取り組み始めました。2020年度に新輸出大国コンソーシアム事業のハンズオン支援に採択されると、原料、混合物、添加物などの各国での輸入規制について、関係省庁の開示情報に加え、ジェトロホームページの動画コンテンツ、ハンズオン支援の専門家からのアドバイスをもとに情報を収集していきました。

当社商品は、輸出先ではおよそ3～4倍の価格で販売されることが想定されました。そのため展開国には、所得水準がある程度高く、日本人の居住や日本食店の出店がある地域を選定しました。そうした地域にはすでに味噌や醤油は多く輸出されているので、他社製品との違いを意識したPR戦略を作り込む必要がありました。また、コロナ禍もあり、オンラインでの会議や商談に向けた環境づくりも急いで整備しました。ハンズオン支援の専門家とは定期的にミーティングを重ね、商談に向けたプレゼン資料作成などの面でも多くのアドバイスをいただきました。最初はオンラインでの海外商談に少し戸惑いがありましたが、国内商社とのマッチングなどでも経験を積みながら、段階的に商談会や展示会に参加していくことで、徐々に海外バイヤーに向けたプレゼン方法を習得していきました。いまだ現地への渡航はかないませんが、国内での活動だけでも輸出への足掛かりがつかめました。