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有限会社ツトム食品

自分でできることはすべてやる。すると周りも真剣に助けてくれる。これからもそうやって前に進んでいきたい

厳選した群馬県産原料と野上川の清流水を使い、こんにゃくやしらたきを製造・販売。伝統的な製法を守りつつ、時代に合わせた新しい味や商品開発を行う。世界中で増えているヴィーガンからの需要を見込み、2018年より輸出開始。

群馬県富岡市ウェブサイト

展開国・地域：: ・2020年度エストニア、英国、フィリピン、ドイツ、香港、米国、オーストラリア
・2021年度英国、シンガポール、米国、フランス、スイス
事業内容：: こんにゃく、しらたきの製造・販売

営業部部長土屋和巳氏

ゼロからのスタートでジェトロ群馬の実践塾に入塾

当社は国内で主としてOEMや下請けでこんにゃくを製造・販売してきました。こだわった製品は大変好評いただいているものの次世代まで事業を継続していくためには新たな商圏も開拓すべきと海外展開を検討し始めました。取引のある金融機関に海外に関心があることを伝えると、ジェトロ群馬が開所することを教えてくださり、早速面談。当時は、名刺もロゴもパンフレットもウェブサイトもなく、何をどう始めたら良いのかまったく分からなかったので、まずはジェトロ群馬のグローバルビジネス実践塾に第一期生として入塾しました。商談にも挑戦していくなかで、他社との差別化が必要だと感じ、商社から「こういう麺は見たことがない」と言われた大豆こんにゃく麺を、「SoyNyack（ソイニャック）」として輸出の中心商品として販売することにしました。健康志向パスタとして食べてほしいという思いと、当社のこだわりを結集した高価格帯の商品であることから、最初の輸出先としてEUをターゲットとしました。

海外向けにパッケージを一新した「SoyNyak」

輸出事業のすべてを楽しみながら、積極的に取り組む

ゼロからのスタートだったので、輸出に関する知識習得のため、ジェトロ開催のイベントで参加できるものにはすべて参加しました。その数は優に100を超えています。教わったSWOT分析やブランディングも、最初は全くついていけずに正直つらかったのですが、徐々に頭も整理されていき、今では輸出事業のすべてを楽しみながら行えるようになりました。2019年度より開始したハンズオン支援では当社側のリクエストごとに複数の専門家にお世話になりました。商談会の都度、専門家が情報や助言をくださり、成約もリピートも増えました。資料作成も支援いただき、商談したバイヤーから資料が良いと褒められたこともあります。この3年間で、輸出実績は10カ国以上にわたり、現在も7カ国と取引しています。また「SoyNyack」だけでなく、レギュラー商品のたまこんにゃく、しらたき、板こんにゃくなども評価いただき、安定して発注をいただいています。

ゆば、胡麻豆腐、枝豆とバラエティーに富んだフレーバーこんにゃくシリーズ

失敗経験を次に生かし、気持ちを切り替えて前に進む

海外でこんにゃくの認知は低いものの、健康食品としてはもちろんのことヴィーガンの食材としての需要が今後増えていくと考えています。「SoyNyack」に入っている胡麻ドレッシングがEU規制に引っかかり、輸出ができないということがありましたが、すぐにメーカーに相談し対応していただきました。輸出に際して改良を言われることはよくありますが、社内にすぐに対応できる体制をつくり、その都度乗り越えてきました。商談でも思うように伝わらないこともありますが、失敗した点をメモに残し、次の商談へと生かしています。苦労もありますが、海外の消費者がわざわざ当社サイトに「おいしかった」と感想を書いてくださることもあり、大きな励みとなっています。自分の意見だけでなく、周りの意見も聞きながら、失敗しても気持ちを切り替えて次へ次へと前に進む。これからも楽しみながら前向きに、こんにゃくを、そして「ツトム食品ブランド」を、海外に広めていきます。

専門家からのポイント

「SoyNyack」を試食してその新規性に感銘を受け、成功の可能性は高いと感じました。海外バイヤー確保のために商談機会を増やすとともに、オンライン商談向けにプレゼン資料のブラッシュアップ、商談スキルの向上に取り組み、今では説得力のある商談で多くの成約につなげています。成功要因としては、同社の商品自体が優れていること、土屋部長を先頭においしいこんにゃくを世界に届けたいという高い志と情熱を持って努力を続けていること、多くの関係者がコンソーシアムを組んで支援していることが挙げられます。

ご利用いただいたジェトロのサービス

新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。