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赤城フーズ株式会社

短期間で相当数の企業を訪問したハードスケジュールの香港出張が輸出の急拡大につながっています

明治26年（1893年）創業の群馬県内で最も歴史の古い漬物メーカーであり、世界ではじめて「カリカリ梅」を開発した。大ヒット商品となった「カリカリ梅」のほか、さまざまな漬け物の技術を蓄積。

群馬県前橋市ウェブサイト

展開国・地域：: ・2020年度香港、米国、カナダほか
・2021年度米国、香港、タイほか
事業内容：: カリカリ梅、甘露梅、梅干し、梅ドリンク、その他梅加工各種、漬物各種の製造販売

代表取締役社長遠山昌子氏

群馬県産の梅のブランド力向上を目指して輸出を検討

当社は全国第2位の生産量を誇る群馬県産の梅を中心に、「カリカリ梅」をはじめとする梅製品や漬け物を創業以来120年以上に渡って、作り続けています。2018年に県内の梅加工業者5社で群馬の梅を応援する会・うめのわを結成すると、同年に開設したジェトロ群馬の輸出に関するグローバルビジネス実践塾に共に参加することになりました。当社では、古くから米国、中国、台湾に商社経由で少量の輸出を行っていましたが、自社での輸出拡大につながるスキルやノウハウは全くありませんでした。実践塾で学ぶうちに、国内ほど「梅といえば和歌山」という認知が浸透していない海外ならば、逆に先行して「梅といえば群馬」と刷り込めるのではないか、「カリカリ梅」のおいしさを世界に広めたい、と思うようになりました。そして2018年度からジェトロのエキスパート支援を活用し始め、2019年度から新輸出大国コンソーシアムでハンズオン支援が始まりました。

大ヒット商品「カリカリ梅」の進化系「刻んだカリカリ梅」

「カリカリ梅」の甘酸っぱい味は海外でも好評

貿易実務や言語対応はもちろん、バイヤーとの接し方、賞味期限の問題、「梅」文化のある国・ない国とそれぞれの市場に向けたPR手法など、分からないことが山ほどある中、ジェトロやハンズオン支援の専門家からは丁寧な指導や助言をいただきました。展開国は、以前からの販路がある米国に加え、梅文化があり日本から近く輸送を考慮しても賞味期限の問題がクリアできる香港を選定。同じ梅文化を持つ中国や台湾は大きな市場ではあるものの、震災以降、群馬県産の食品は輸入規制の対象となっていることから、規制に縛られずに販売可能な香港から入ることにしました。梅干や通常のカリカリ梅はしょっぱくて海外の方の口に合わないと言われている中で、当社「カリカリ梅」のメイン「甘梅」は甘酸っぱい味で、FOODEXのような展示会でも多くの海外の方に「おいしい」と好評でした。この強みを生かした販売戦略を立てました。

定番商品の「甘梅」

先々代が開発した「カリカリ梅」を世界に広めたい

自社単独で参加した香港での最大級の国際食品展示会「HOFEX2019」で接触のあった企業のアフターフォローを目的に2泊3日で香港を訪問した際には、香港市場に詳しく地理にも明るいハンズオン支援の専門家に出張同行いただき、短い日程の間に相当数の企業訪問が実現しました。専門家の知り合いまでご紹介いただき、個々の商談前には訴求ポイントなどの具体的なアドバイスを頂戴していたこともあり、この時の商談が実を結んで2020年からは急激に香港向け輸出が伸長しています。暑い時季に食べるとおいしい梅は、日本でも夏にぐっと売上が上がりますが、これが常夏の国に展開するとどうなるんだろうと、海外市場を目指すおもしろさを感じています。国内市場が飽和状態の中で、「カリカリ梅」を世界に広め、いつの日か「SUKIYAKI」や「KARAOKE」のように「KARI-KARIUME」として認知されるよう、これからもジェトロや専門家に相談しながら、さらに販路を広げていきたいと思います。

専門家からのポイント

輸出には自社から直接海外の買い手に出荷する直接輸出と、国内の輸出業者を介した間接輸出があります。同社は国内でも取引がある業者を輸出商社とした間接輸出方法をとりながらも、香港での販路開拓では、現地の販売業者と直接面談され、「カリカリ梅」を直接紹介されたことが奏功、安定した出荷を達成されています。私自身も子どものころから親しんできた「カリカリ梅」が、アジア、アメリカへと広がるお手伝いができることを楽しみにご支援しております。

ご利用いただいたジェトロのサービス

新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。