オリオンコンピュータ株式会社

当社グループのオリオンIT専門学校には、日本語を習得しプログラミングなどの専門スキルを学ぶ外国人留学生が多く在籍しており、企業向けに外国人材の紹介も行っています。その卒業生が就職した建設機械の総合レンタルサービス企業からの提案で、同社の進出しているミャンマーで、日本語を学びながらOJTで重機のオペレーターや整備の資格も取得できる専門学校の開設を考えました。当社は2019年度より新輸出大国コンソーシアムのハンズオン支援を受け、スリランカで日本語学校を開校しました。2020年度には展開国にミャンマーを加え、同国における現地調査や進出計画の策定、具体的な進出手続きなどの面でも、専門家やジェトロ栃木から助言をいただきました。ミャンマーは建設需要が大きく、オペレーターやエンジニアの引き合いも強い。日本語ができれば現地日系企業の就職に有利になるだけでなく、優秀な人材を日本で留学生として受け入れ、高度人材に養成できる、と考えたのです。

総合レンタルサービス企業の現地法人において建機や重機のオペレーションに必要な技術を伝授しながら、当社の得意とする日本語や日本文化に関する一貫教育を受けた人材を現地の日系企業に送り出す、というスキームに対しては、現地や日本側からの期待も大きく、少しでも早い開校が望まれていました。コロナの影響で開校スケジュールに遅延が生じながらも、日本から派遣する日本語教師のビザの手配や現地住居の準備などを進め、2021年の早期に開校することを目指していました。ところが2021年2月にミャンマーで国軍が政権を掌握。直後から通信も1日2時間に制限され、現地状況の確認や打ち合わせができなくなりました。当初はすぐに解決すると思っていたものの、現在に至るまで政情は安定せず、専門学校の開校は停止状況に陥りました。総合レンタルサービス企業の現地法人で働いていた卒業生も、突如退職してしまい、衝撃を受けました。