大天狗酒造株式会社

当社は、創業以来、酒造りに最も大切な水、米、人が育つ福島県の自然豊かな土地で、日本酒の製造・販売を続けてきました。主要銘柄「大天狗」とは別のタイプの「卯酒」が誕生すると、その販路開拓先として、海外にも目が向きました。地元の商工会の企画によるミラノ万博に出品した後、全国商工会連合会の取り組みで欧州視察商談会にも参加。ニューヨークで開催された福島県主催の県産日本酒PR商談会や、香港の展示会などで、飲食店の方々から「おいしい」と評価をいただき手応えを感じました。しかし、次の一手がわからず、試飲会における自社商品のPRと、輸出に向けた販路の構築は、全く異なることを痛感しました。本格的な海外展開に向けて、ジェトロ福島に相談し、2020年度に新輸出大国コンソーシアムのハンズオン支援を受けました。パートナーによるブランディングのワークショップで商談に向けて情報を整理することができ、米国企業との商談が成約しました。

米国の輸入業者との出会いは、ジェトロ福島の紹介でアメリカ西海岸向けの販路開拓事業に参加したことがきっかけです。すでに日本酒の需要もある米国は、以前より海外展開先の候補でしたが、日本酒に対する理解も深い米国の輸入業者との良いご縁が見つかり、サンフランシスコを中心とした飲食店での取り扱いが決まりました。輸入業者は熱意をもって当社商品を扱ってくださるほか、的確なアドバイスもくださるので、海外向けに印象の良いラベルやロゴも作ることができました。コロナ禍での渡航制限によって、一度も自分の目で現地の状況を確認できないことはとても歯がゆく、当社商品はどのような顧客層に好まれ、どのような印象を持たれているのか。味の評価や、当社商品が飲まれているシチュエーションはどうなのか。知りたいことは山のようにあります。今後の酒造りの励みにするためにも直接現地での評価を知ることができる日を心待ちにしています。