株式会社ワイ・エス・エム

弊社はもともと特注照明の国内での販売経験しかなく、海外展開を目指していたわけではありませんでした。2017年、デザイナーとバイヤーの共同企画により自社オリジナルの照明を開発した際に、完成した製品に対する反応を見ようと、ジェトロ主催のデザイン製品の商談会「CONNOISSEUR TOKYO」に出展しました。バイヤーからの反応は芳しくなかったのですが、商談会終了間際にあるバイヤーから「ぜひ（弊社の）照明が欲しい」と引き合いがありました。加えて、フランス・パリで開かれる世界最高峰のデザイン関連見本市「メゾン・エ・オブジェ」への出展を勧められたことを機に、海外展開を現実的な選択肢として意識するようになりました。ジェトロの紹介で、「新輸出大国コンソーシアム」に応募・採択されると、担当の専門家とともに輸出に向けた本格的な準備が始まりました。契約書やインボイス等の作成には苦労しましたが、専門家の支援により弊社独自のフォーマットを作成することもできました。

挑戦しなければ課題も見えてこないとの考えから、専門家の支援のもと2019年にパリで開かれた「メゾン・エ・オブジェ」に出展しました。周囲からは「初出展ではあまり成果はでない」と言われていたので、過度な期待はせず、1件でも成約を得ることを目標としました。現地ではロストバゲージに遭ったり、展示ブースを手作りする予定で向かったところ、壁や床までも自分たちで調達しなければならず苦戦したりと、様々なハプニングもありましたが、各支援機関や専門家、デザイナーなどの協力により展示会は成功し、成約を得ることもできました。この経験を通して、より多くの成約に結び付けるための課題を認識するとともに、海外で自社の照明が売れたという実績が社員のモチベーションにもつながりました。さらに、出展前は想像すらしていませんでしたが、フランスのとある有名な美術館のミュージアムショップに弊社の商品が採用されることになり、大きな自信につながりました。