マイコック産業株式会社

海外への直接輸出を目指したきっかけは、水産関連の国内展示会に出展した際にベトナムの企業から寄せられた相談でした。元々、商社を通じて海外販売を行っていましたが、これを機に社内で直接輸出の検討を始めました。

引き合いのあったベトナムでは、メコンデルタ地帯を中心にエビやパンガシウス（白身魚）の養殖が基幹産業であり、加工品を欧米諸国や日本に輸出しています。しかし、現地では弊社のような食品加工機械は導入されておらず、すべて手作業でパン粉を付けており、製品によりばらつきがある状態でした。そのため、精度の高い製品を同品質で生産できる弊社の機械に高い評価・関心を示してもらいました。

ニーズがないとどんなによい製品でも買ってもらえません。したがって、市場調査を行い、需要をよく確認することが海外展開を始める上でまず重要だと思います。弊社はベトナムでのニーズを捉え、社として直接輸出に取り組むことを決断した後、取引銀行を通じてジェトロを紹介してもらいました。

ジェトロとの面談後、「新輸出大国コンソーシアム」に応募・採択され、直接輸出に対応する社内体制の構築を進めました。従来は商社経由の間接貿易で国内の指定された倉庫に運ぶところまでだったため、社内に英語や貿易実務に詳しい者がいませんでした。そのため、ジェトロ主催の貿易実務講座を活用して、貿易の流れなどの初歩的なところから学習し、ノウハウを蓄積するようにしました。その一方で、決済条件や契約書等のより細かな実務については、経験豊富な専門家に助言をいただくことで自社に最適な選択をするようにしました。ただし、専門家のおんぶに抱っこになるのではなく、必ず弊社としての方針・考えをもって助言を仰ぎ、自分たちで判断をするよう心掛けていました。初めて海外展開を取組む企業にとっては分からないことばかりで、任せてしまいたい気持ちもわかります。しかし、自分たちが主体的に輸出をやっていくという気持ちを持つことがとても大事だと思います。