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株式会社ジェ・スク

自社特許技術による「炭酸事業」を世界中の人々に届けたい。日本での高評価に自信を得て海外へ。

医療分野に特化した高濃度人工炭酸泉生成装置の製造・販売を行う。独自技術の高性能な製品と信頼性の高い豊富なデータを武器に、誰もが知る炭酸泉生成装置を目指して、世界各地への海外展開に挑む。

岩手県八幡平市ウェブサイト

展開国・地域：: ・2018年インドネシア、ベトナム、イタリア
・2019年インドネシア、中国、タイ
・2020年インドネシア、中国、米国
事業内容：: 高濃度人工炭酸泉生成装置の製造・卸・販売

代表取締役社長瀬川純市郎氏

当初から海外展開を見据えて製品開発を行う

私たちの作る高濃度人工炭酸泉生成装置は、特許を取得した「気体の液体溶解技術」により、飽和濃度に近い1,318PPMの高濃度炭酸泉を安定的に生成できます。世界共通の課題である生活習慣病の改善や健康長寿社会を実現させるため、品質に裏打ちされた高性能の炭酸泉生成装置を世界中のより多くの方々に手頃な価格で提供したいという思いがあり、開発当初から海外展開を見据えていました。2013年から国内販売を開始すると、装置性能の高さが炭酸治療を行っている医療機関から認められ、（公社）日本水道協会から炭酸泉メーカーとして認証を得ました。さらに、医療用に特化した戦略の結果、末梢血管の循環障害の先進治療や透析患者の合併症対策における効果などが認められ、（公社）発明協会が主催する平成30年度東北地方発明表彰において中小企業庁長官賞を受賞しました。これをきっかけに海外からの問い合わせも増え、海外展開のタイミングが来ていると感じました。

同社の高濃度人工炭酸泉生成装置

海外ビジネスの厳しさを痛感、先を見越した条件提示

ちょうどその頃、ジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」を知り、応募しました。支援開始当初は、いち早く輸出を実現するため、とにかく先に進めたいという気持ちから、展示会へ積極的に出展し、認知度を高めることを意識していました。しかし、外国企業とのビジネスでは、日本のスタイルを当てはめただけでは全く通用しないことを痛感することになります。例えば、見積書を一つ作るにも、最初の提示価格が今後の交渉の土台として大きな意味を持つため、双方にとって交渉を継続できるリーズナブルな価格を算出する必要がありました。また、交渉において譲れる点と絶対に譲れない点をこれまで以上に明確にした上で、相手国の市場規模・経済動向・商習慣の違いに合わせて交渉方法を変更しました。価格の他にも、交渉の場で提示すべき条件など、あらゆる面を事前に検討しました。今思えば、その先にある交渉を見据えながら見積書を提示することに、最も苦労していたと思います。

タイで開かれた「Beauty-Beyond-ASIA」出店時の様子

「日・アラブ首長国連邦経済キャラバン」参加時の様子

欧米で認証を取得し、世界中で知られる商品を目指す

海外展開では商品の差別化が重要です。他社にはない製品で勝負できれば、自社商品の実力がより明確になります。また、事前に綿密かつ慎重な検討を経て販売戦略を策定することはもちろんですが、特許などの知財保護対策も早めに手を打っておく必要があります。独自技術のお陰で競合が存在しない点、そして信頼のおけるデータを根拠に製品の有効性を示すことができる点が、弊社の強みだと考えています。日本の医療現場での実績をもとに、海外でも各国の医療機関の現状に合わせた製品導入メリットの提案ができ、信用につながりました。利用者からも海外販売店に対して「他社とは違い実施するための禁忌データが豊富で信頼性があり、安心して使用できる」との声が多く寄せられており、販売店のモチベーションに繋がっています。今後は、米国やEUなどの基準認証の厳しい国・地域でも認められる製品を作り、弊社の炭酸泉生成装置を世界中の誰もが知っている製品にすることが目標です。

専門家からのポイント

ジェ・スクは高濃度人工炭酸泉装置を開発し、日本で急速に販売が伸びています。日本での高評価を基に海外展開を希望され、今回の支援につながりました。製品を応用可能な分野が医療関係から美容健康関係までと幅広く、潜在対象国も多いため、同社の海外展開対応力の拡充に合わせて、各案件や重点分野・市場の優先順位を設定しました。段階に応じて支援を進め、支援の初年度にはイタリア、インドネシア、ベトナムへの輸出に成功しました。企業と専門家で良好な信頼関係を築き、こまめな情報共有をしたことで、成功につなげられたと思います。

ご利用いただいたジェトロのサービス

新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。