ペンギンシステム株式会社

海外への輸出にあたっては、言葉の問題の他にも、各国の基準や規制が大きな障壁になりました。特に、弊社の主力製品である「救トレⓇ(英語名：EmerSimⓇ）」は、Wi-Fiを使用するハードウェアのため、電波法の問題やCEマークの取得など、多くの課題がありました。一つ一つの課題解決に向けて、ジェトロに助言いただけるのは大変ありがたいです。

救急医療トレーニングは国により様々な手法があります。弊社はその中でも医療が発達しているドイツを中心に、ヨーロッパをターゲットにしました。ジェトロの専門家とともに参加したヨーロッパ救急学会では、20カ国以上の医師らと知り合うことができました。専門家によるリーフレットや提案書の作成、展示会での巧みな交渉などの支援もあり、アイルランドへの輸出が成約しました。さらに、この時に出会ったオランダやカナダの医師・企業とは、今もなお継続して代理店交渉を進めています。

今回、輸出した「救トレⓇ」は、これまで救急医療トレーニングに利用されてきた高額なマネキンの購入が難しいような新興国・発展途上国でも購入できるような価格で提供可能です。そのため、世界中の人々の役に立ち、社会的課題の解決にも資することができます。基準や規制、知財も含めて費用がかかる部分もありますが、それでも海外に輸出するメリットは大きいと思います。世の中には多くの成功事例がありますが、弊社はこれまでの経験を活かしつつ、様々な取り組みを続けたことで、ヨーロッパへの輸出に繋がりました。加えて、海外展開には独特のセンスやアンテナを磨く必要があると感じています。それを磨くためには、汗をかいて、情熱をもって、挑戦を続けることが大切です。我々中小企業に対して、ジェトロは国の機関の中で最も親身に、かつ、真摯に対応してくれて、自社の夢を一緒に応援してくれます。これからもジェトロとともに海外展開を進めていきたいです。