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株式会社海千

独自の冷凍技術とHACCPを武器に、辛子明太子の素晴らしさをEUへ。本物の美味しさを輸出する。

辛子明太子を中心に水産加工品の製造・販売を行う。2011年に九州で初めて辛子明太子の工場としてHACCPの認定を取得。2018年に経産省の「地域未来牽引企業」に選定され、他企業の海外展開に刺激を受けて、輸出に挑戦する。

福岡県宗像市ウェブサイト

展開国・地域：: ・2019年オランダ
事業内容：: 水産加工品の製造・販売

代表取締役井川英治氏

EU-HACCAPを取得して世界に辛子明太子を売り込もう！

2018年に経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定されました。他の牽引企業と交流を深めるなか、海外への事業展開の話を聞き、刺激を受けていました。その折に、2019年5月に開催された「地域未来牽引企業サミットin広島」に参加しました。当時の世耕経済産業大臣のお話のなかで「牽引企業に対する海外展開の期待」について伺い、気持ちがさらに駆り立てられました。
弊社は、既にHACCPは取得していましたが、今後は国内でも取得が義務化されるとのことで、他社との差別化が必要だと感じ、EU-HACCPの取得を検討しました。しかし、通常のHACCPとEU-HACCPを取得することにより、合わせて年5回もの立ち入り検査が必要であること、また、魚卵製品がEU域内で受け入れられるかについても不安があり躊躇もしていました。しかしながら、弊社には高い冷凍技術があります。2つのHACCPを取得することで「世界へ輸出できるようになる」と考え、工場長からの前向きな意見も後押しして、EU-HACCP取得に向けた経営方針を決定しました。このEU域内に挑戦する事業は、社員のモチベーション向上にも大いに繋がりました。

人気のイタリアンレストランで辛子明太子パスタを試作している様子

20年前に弊社を訪れていた現地パートナーとの出会い

「サミットin広島」でジェトロを紹介され、海外事業展開を支援する機関があることを知りました。そこで、すぐにジェトロの「新輸出大国コンソーシアム」の専門家支援に応募し、採択されました。弊社の担当となった専門家は、欧州で水産品に長く携わっていた方でした。そのため、支援開始後すぐに、専門家から25年もの付き合いのあるオランダの水産輸入卸業者を現地パートナー候補として紹介され、やり取りを開始しました。初めは英語でのコミュニケーションに不安がありましたが、専門家から紹介された社長は親日的な方で、すぐに慣れることができました。2019年10月には、F/S調査を行うべく、専門家同行のもとオランダへ出張しました。現地パートナー候補となる企業を訪問すると、同社社長が20年前に訪日した際に弊社を見学していたことがわかりました。見学の際に、弊社の先代社長が辛子明太子の製造技術を惜しげもなく披露する姿に感動したことを思い出してくれ、一気に信頼関係を構築し、交渉を進めることができました。20年前の現パートナーとの出会いと今回の再会について、まさに運命的なご縁を感じています。

ジェトロがいれば、可能性がゼロではなくなる。

その後、同社とは代理店契約を結び、EU-HACCP取得後にEUの窓口として弊社の商品を販売していただけることになりました。コロナ禍の渡航制限により中々実行には移せていませんが、現在もメール等で頻繁に連絡を取り合いながら準備を進めています。
今後、海外事業展開を検討される企業には、「ジェトロがいれば、可能性がゼロではなくなる。加えて、自社に情熱ややる気のある担当者がいれば上手くいく」と伝えたいです。当然、中小企業としては、結果が出るまで気を緩めることはできません、しかしながら、ジェトロの支援のおかげで、成功の可能性や今後の展望が見えてきたことが有難いと感じています。

専門家からのポイント

海千の井川社長は、欧州で「辛子明太子」を販売したいという明確な目標を持ち、EU-HACCPの取得準備もされていました。そのため、日本食への造詣が深いオランダの輸入卸業者を現地パートナーとして紹介しました。同社のオランダ出張にも同行し、現地パートナーとともに多数の有力なバイヤーと商談を実施しました。その結果、EU-HACCPを取得次第、欧州向けの初回輸出が実現可能になりました。成功要因としては、海千の商品自体が優れていること、製造に詳しい社長自らが説得力のある商談を実施できること、海千の商品に魅力を感じて販売したいという強い意欲を持った現地パートナーを確保できたこと等が挙げられます。

ご利用いただいたジェトロのサービス

新輸出大国コンソーシアム
日本企業の海外展開を支援する全国のあらゆる支援機関が結集し、海外展開にご関心をお持ちの中堅・中小企業の皆様へワンストップの支援サービスを提供します。