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株式会社内田コーポレーション

メード・イン・ジャパンの空圧工具をメキシコ市場に拡販したい

自動車生産が拡大するメキシコ市場で空圧工具の販売代理店を発掘し、2018年11月に販売代理店契約を締結。2019年5月から本格的に輸出を開始している

東京都小平市ウェブサイト

展開国・地域：: 2018年メキシコ
事業内容：: 空圧工具、自動車部品の原材料の輸出販売

代表取締役内田明氏

ジェトロの支援でメキシコ市場に再チャレンジ

2000年代初頭、メキシコへ空圧工具をスポットで輸出しましたがビジネスはそれっきりでした。ジェトロ・ビジネスライブラリーでメキシコの会社をリストアップしてレターを出してみても、返事がなく成果はありませんでした。メキシコ市場をどのように攻めていこうかと悩んでいたところ、2016年に小平商工会でジェトロ「新輸出大国コンソーシアム」の紹介を受け、メキシコ市場に再度チャレンジしようと決めて、専門家支援を申し込みました。無事採択され支援が始まると、何度か専門家の同行を得てメキシコに出張しました。メキシコ工具展示会を視察、ジェトロ・メキシコ事務所のブリーフィング、中小企業海外展開現地支援プラットフォームのサービスでリストアップしたメキシコの空圧工具の代理店候補企業の訪問など、メキシコ市場のFS調査を行いました。しかし、すぐには良い販売代理店候補には出会うことができませんでした。

空圧工具の製品写真

工具使用の様子

信頼できる代理店候補企業の発掘と代理店契約締結

2018年初めのメキシコ出張の際、専門家が持つ現地人脈から米国製品を販売しているメキシコの販売代理店候補を紹介されました。米国会社はメキシコで4社の代理店と取引を行っており、紹介を受けたメキシコの販売代理店は商品の品揃え、価格面でうまくいっていないようでしたので、日本製が参入できるチャンスがあるのではないかとのことでした。このメキシコ代理店候補はメキシコ全土に優良顧客網を持ち、保守組織も充実している魅力ある企業で、また会社の雰囲気も良く、経営姿勢にも大変引かれました。まず最初に日本製の空圧工具がメキシコ市場に受け入れられるかどうかの市場調査のための有償サンプルを受注しました。市場の反応は好評だったので、代理店契約の交渉を進めました。専門家のアドバイスで代理店契約のドラフトを作成し、次に法務の専門家から契約書に関するアドバイスを受け、大変有益で参考になりました。

メキシコ販売代理店の本社ビル

顧客との打ち合せ時の写真

メキシコ市場の深耕そして他国への進出

数値目標にも合意し、2年間の販売代理店契約を2018年11月に締結しました。2019年5月に本格出荷を開始、今は次期受注を待っている状況です。日系物流会社に代理店まで訪問いただき輸送期間の短期化にも努めました。メキシコを目指した理由は、メキシコが世界第6位の自動車生産国であり今後も拡大すると感じたからです。代理店はメキシコ北部モンテレイという工業地帯に本社があり、空圧工具の信頼性、耐久性、および価格優位性を生かして今後とも大きな販売の伸びが期待できると考えています。代理店に製品に対する知識を深めてもらい、また現地のニーズを把握するために、代理店と一緒に現地最終ユーザーへ訪問・技術講習会を行い、安定的な輸出のための拡販を行いたいと考えています。今後は、メキシコでのさらなる販売増・代理店契約の更新交渉を行うと同時にコロンビアなどの中南米への海外展開も進めたいです。「新輸出大国コンソーシアム」によりメキシコへ再挑戦できたこと、ジェトロのさまざまな支援メニューを活用できたこと、そして、諦めずに努力を重ねてきたことがとメキシコ進出成功への鍵ではないかと思います。

専門家からのポイント

内田コーポレーションは、メキシコの機械販売業者へのアプローチに成功するまで約2年間掛かりました。その原因は、当該国では日系企業の市場しかないという思い込みでした。しかし、取引相手が見つかるまでトライ＆エラーをめげずに続けた結果、プロフェッショナルの市場があり、そこに流通網を持つ適正な機械販売業者に同社の声掛けがようやく届いたのです。成果を上げたもう一つのポイントは、販売代理店契約書を作成・締結して米国流ビジネスに慣れた取引相手とスムーズに取引が開始できたことです。