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白井汽船株式会社

トップ主導で海外市場へ。「安全」「高品質」を武器に企業のベストパートナーを目指す

2013年からベトナム・ハナム省にてLPG充填販売事業を開始。ジェトロの支援を経て、2016年からはガス器具輸入販売事業、ガス器具設計・施工・コンサルティング事業を新規展開。安全・高品質なガスを現地に届けている

広島県竹原市ウェブサイト

展開国・地域：: 2017年ベトナム
事業内容：: 液化石油ガスの輸出入・卸売・小売・販売代理店事業/LPガス関連設備の販売、およびコンサルティング

代表取締役社長吉田豊氏

海外市場に成長を求めて

現地法人のスタッフとともに

弊社は本来、海運業を主としている会社です。しかしながら、内航海運市場が停滞する中、海外経済は急テンポで拡大することが見込まれたことから、新規事業での海外進出を考えるようになりました。そこで、自社船舶で扱っていたLPガスを海外市場で展開できないかと考えました。進出先候補の一つとして考えたのがベトナムでした。親日的な国民性もさることながら、人口が増加し、今後大きな経済発展が見込めることが理由です。進出国を決める際には、ジェトロが実施していた各国セミナーや、貿易統計などを参考にしました。このようにして進出先をある程度絞り込んだところで、ジェトロに海外進出支援を相談することにしたのです。海外で直接販売を行うことに、社内で懐疑的な声も多少はありましたが、ジェトロ専門家のアドバイスを受けながら、2013年にベトナム・ハナム省にてLPガス充填販売事業を担う現地法人を設立することができました。

差別化のポイントは「安全」と「高品質」

しかし、現地法人を設立してから軌道に乗せるまでが苦難の連続でした。2016年からは現地で新規ライセンスを獲得し、ガス器具輸入販売事業を開始したのですが、現地での販路開拓、ローカル企業との競争に難しさを感じていました。現地販路開拓においては、自らの足で1軒ずつ訪問し、営業を行いました。その際、相手先企業が信頼できるかどうかを見極めるのに、「新輸出大国コンソーシアム」専門家の力を借りました。また、ローカル企業との競争においては、専門家のアドバイスを参考に差別化を図りました。現地ローカル企業の中には、輸入ガスに不純物を混ぜて販売するなど、品質が悪いガスを販売している企業もいるようです。そのような中で、お客様の安心感、信頼を重視するべく、販売だけでなくガス設備点検、リスクアセスメント、設備・施工コンサルティングも行い、一気通貫のサービスを提供する方針にしたのです。価格競争を避け、日本ならではの「安全」と「高品質」を武器に着実に売り上げを伸ばすことができました。

現地スタッフへの指導の様子

ベトナム・ハナム省知事との会談

現地企業のベストパートナーを目指す

弊社の現地法人は全員ベトナム人のスタッフで構成されています。当初はスタッフが定着せずに大変苦労しました。また、ベトナムでは安全を最重視するという考えがあまりないように感じられることも多く、私自ら現地でスタッフへの指導にあたりました。日本から持ち込んだ機器を使用する、安全マニュアルを作成するなどして、何度も繰り返し指導にあたることで、われわれの武器である「安全」「高品質」の概念を伝えていく努力をすることに徹しました。これから海外展開を目指される企業の皆様には、不退転の決意で自ら動くことをお勧めいたします。また、ビジネスプランを作成し、常に修正しながら成功するまで続けていくことが大事だと実感しました。これからも、独自開拓していけば道は必ず開けるという信念の下、「安全」「高品質」で快適なサービスを企業に届け、現地企業のベストパートナーになることを目指します。

専門家からのポイント

白井汽船は販売が伸びず苦戦されていました。そこで販売活動を聴取し、計画を立て直すところから始め、地域戦略、ターゲットにする業種、企業、国を明確にして活動することを助言しました。そして潜在顧客リスト作成、計画訪問結果ランク付け（有望／可能性あり／なし）を提案し、2カ月に一度のぺースで現地を訪問し、社長を含め幹部社員と活動結果をレビューすることでPDCAの重要性を指摘してきました。現地訪問時は原価低減、販管費削減も同時に議論しました。その結果、売上高倍増、経常利益での黒字化が可能な状況に至りました。