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株式会社KIYORAきくち

失敗もあるけどトライしてみないと始まらない。やってみたらなんとかなるものです

ナノ水素水KIYORABIの製造・販売を行う。2015年より台湾向けに水素水の輸出を開始。現地百貨店の催事や商談会の機会を活用し、シンガポールにも販路を拡大中

熊本県菊池市ウェブサイト

展開国・地域：: 2015年台湾
2017年シンガポール
事業内容：: 炭酸氷、ナノ水素水KIYORABI製造販売／水素関連商品の研究・開発など

経営企画部広報担当課長吉田舞子氏

最初の輸出は信頼できる現地パートナーと出会いから

名水百選を源流とする菊池の天然水から生まれた「ナノ水素水KIYORABI」

弊社の代表はもともと別の事業を経営しておりましたが、実体験から水素水の効能を家族や知人に広めていたところ、周囲から商品として作ってほしいという声が上がるようになり、2008年に開業の運びとなりました。弊社の水素水は、地元・菊池市の湧き水を、特許技術SPGフィルターでナノ化し、圧力をかけて水素を封入、かつ水素を逃さないアルミパウチを使っているため、消費期限まで平均約1.23ppmという高い溶存水素量を誇ります。当初は、国内向けのみ展開をしていたのですが、高まる健康ブームという追い風を受け、人気に火がつき話題になってきたころ、評判を聞きつけた中国や東南アジア、欧米から徐々に引き合いが来るようになりました。その中で、熱心な台湾企業に出会いました。日本とのビジネスに慣れ、基盤がしっかりしている企業で信用もおけたため、弊社としても初めての輸出を安心して取り組むことができ、そこから海外展開への挑戦が始まりました。

やってみないと始まらない。一歩踏み出す勇気

輸出を始めた当初は、社内には輸出ビジネス未経験者ばかりでしたので、何から手を付ければいいかも分からない状況でした。まずは知識を身に付けねばと、ジェトロの貿易実務オンライン講座、セミナー、貿易投資相談など、多くのサービスを積極的に活用しました。自分自身のスキルを向上させる傍ら、2016年からは、「新輸出大国コンソーシアム」の専門家支援を受け始めました。当時、新たにシンガポール市場を開拓する一方で、同時進行で対応する他国からの問い合わせに手いっぱいでしたが、専門家から国や案件によって異なる実務的な細かい留意事項について丁寧にアドバイスを受け、商談の前後でもバイヤーへの連絡方法など、現場の多くのことを学ばせてもらいました。実務に慣れてきた今でも、思わぬ所でつまずくこともありますが、失敗も含め、ノウハウとして吸収すればいい。分からないからと構えてしまうのではなく、恐れずに一歩踏み出す最初の勇気が、大事だなと強く感じます。

シンガポール百貨店での催事にて

Food Taipeiジャパンパビリオンにて。多くの来場者で賑わう

商品の良さを自分で伝えて、より多くの方に届けたい

シンガポールは、抱いていたイメージと全然違いました。高所得者が多く、日本製品はバンバン買ってくれると思いきや、実際は非常に真面目で堅実、商品をシビアに吟味する国民性であることに驚きました。その分、一度気に入ると確実に購入下さり、口コミでも広めてくれました。年4回実施される現地百貨店の催事に定期的に参加し、継続的に顧客に商品の良さを伝える努力を続けることで、リピーターも増え、手応えを強く感じました。渡航費などの初期費用はかかりましたが、きちんと実を結んでくれたので嬉しかったです。海外のお客様に水素水を気に入っていただくことで、自社の収益の柱が増えることは海外ビジネスのメリットだと思います。今後は、台湾・シンガポールの固定層を着実につかみ、さらに多くの方に、さらに求めやすい価格で弊社の水素水を飲んでいただくため、現地製造を視野に入れています。マレーシアなど東南アジアの国々に届けていきたいです。

専門家からのポイント

KIYORAきくちの商品は、日本名水100選に選ばれた菊池の天然水に水素を加えた「水素水」です。新商材のため知名度が低く、なかなか商談は成立しませんでした。そこで、シンガポールでNo.1の高級デパート、高島屋での催事販売に焦点を絞り、「試薬を使った抗酸化」デモ販売、会員カード導入、メールによる事前催事告知、定期配達など、効果を検証しました。また、同社の社員が店頭で販売指導をするなど地道な努力で次第に売り上げが伸びました。最初は売り上げが低く催事参加を断られないかと心配しましたが、ついには、催事定番の人気商品となりました。