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祖谷渓温泉観光株式会社

現地の情報をしっかりと仕入れ、相手を知ることが海外進出に欠かせない要素

ケーブルカーで行く源泉掛け流しの露天風呂と日本三大秘境の景観を楽しめる、秘境祖谷渓の一軒宿「和の宿ホテル祖谷温泉」の経営が中心。お土産として販売していた化粧品の海外販売も事業としてスタートした

徳島県三好市ウェブサイト

展開国・地域：: 2018年香港・マカオ
事業内容：: 和の宿ホテル祖谷温泉の営業、化粧品の製造・販売、お土産の卸売業、コンサルティング業務

営業企画室室長藤川敏彦氏

海外のお客様のニーズに応えるため、海外進出へ

化粧品の輸出に合わせパッケージを一新。祖谷温泉を持って帰っていただくをコンセプトに

弊社ホテルのお客様は約4割が外国人観光客で、そのうちの5割が香港からのお客様です。ホテル内では温泉をイメージした化粧品を販売しており、そちらも温泉とともに好評をいただいていました。そんな中、「化粧品を使い終わったんだけど買いたくても買えない」というリクエストが香港から来るようになりました。そこで、そういったお客様のニーズに応えたいという思いから、要望の多かった香港で販売するルートを探し始めました。2014年に、香港在住の私の知り合いを通じて、日本の商品を取り扱う香港のスーパーマーケットでテスト販売できることになりました。しかし、テスト期間の2週間で結果を出すことができず、レギュラー商品として採用されることはありませんでした。その後も、香港のお店を何軒も何軒も営業で回りましたが、結果に結びつきませんでした。しかしながら温泉の良さを感じて化粧品を買うという流れができているので、香港での化粧品の販売を実現させたいと考えておりました。

化粧品の専門家がマンツーマンでアドバイス

いろいろと営業していくうちに輸出にはマナーがあると気付き、ジェトロの勉強会に参加しました。担当者の方には輸出の基本的なことから化粧品特有の制約まで教えてもらっただけでなく、並行して販売ルートの調査もしてもらいました。また、化粧品に強いジェトロの専門家を紹介してもらったのも心強かったです。以前、地元の銀行が主催する海外向けの商談会に参加したことがあるのですが、徳島という土地柄、どうしても海産物や農産物の商談が中心になり、化粧品を取り扱っている弊社とはマッチしないということもあったので、専門家にマンツーマンでアドバイスを受けたのは大きかったです。実際、その専門家に香港のバイヤーを紹介してもらい2018年に商談が成立しました。その店舗はマカオにもあるので、祖谷温泉の化粧品が香港とマカオで買えるようになりました。商談時にはバイヤーの方にも祖谷温泉へ来ていただき、実際に温泉の良さを感じていただいたのも良かったと思います。

傾斜角42度をケーブルカーで、約170m下り谷底にある温泉へ

外国人観光客からも大人気。大パノラマの露天風呂からの眺め

現地のニーズや市場を自分の目で見ることが大事

海外展開をする以上、売り上げを立てるというのは大前提ですが、化粧品の輸出には営業的な意味合いもあります。海外の方に祖谷温泉の名を冠した化粧品を手に取っていただくことで、弊社を知ってもらうのはもちろん、実際に祖谷温泉に来ていただきたいという期待が込められているからです。物を輸出して観光客を輸入するような流れが理想だと思います。そのためにも現在の3つの商品ラインナップの拡充が必要不可欠と考えています。これは現地の市場調査で痛感しました。海外で事業をする際は自分の目で現地を確かめることが大切で、しっかりと情報を仕入れて相手のことを知ることが欠かせない要素だと思います。私たち自身、海外進出する際は海外のニーズや市場を知らないで闇雲に当たっていっても、絶対にうまくいかないと実感しました。

専門家からのポイント

日本三大秘境の温泉ブランドで基礎化粧品を販売し、アジアを中心としたお客様に好評を得ています。特に香港からのお客様が一番多く、レンタカーで温泉に直接来られます。帰国後にお客様が香港で商品を購入できる体制を作りたいというのが依頼でした。面談後、香港で日本の化粧品を中心に販売しているバイヤーに可能性を聞いてみると大変興味を示しました。翌正月には温泉への直接訪問を受け、とんとん拍子に話が進み、輸入者＝小売店のメリットを生かして昨年の春から香港市場で同化粧品の販売を店頭とネットで開始することができました。