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株式会社あさの

現地での市場調査や商談には意志決定される方が同行すると物事がスピーディーに動きます

国内トップのシェアを誇る、生姜の生産・加工メーカー。さらなる販売増を目指し、海外へと販路を拡大。2018年には米国の日系企業から加工商品のオーダーが入り海外との本格的な取引がスタートした

高知県香美市ウェブサイト

展開国・地域：: 2018年米国
事業内容：: 青果用生姜、冷凍食品、加工食品の生産・販売/自社オリジナル製品の生産・販売

代表取締役社長浅野平二郎氏

事業拡大のために海外進出を検討

弊社は生姜の生産・加工業を行っているメーカーです。国内のさまざまな食品メーカーと取引しているものの、さらなる売り上げの増加は難しいと感じていました。そんな中、営業部門から事業拡大のために海外へ進出しようという意見があがり、行ってみないと分からないから、とりあえず海外へ行ってみようということになりました。高知県内で行われていた海外向けの商談会をきっかけに、2012年ごろから少額かつ間接貿易ではありますが、海外との取引がありました。このころは、付き合いのあるコンサルタントから大手食品会社で調味料などの海外販路を拡大された実績を持たれている方を顧問として紹介していただき、月に1、2回の定例会を行いサポートしてもらっていました。その後、ジェトロを紹介され、その定例会にジェトロも参加するようになりました。「新輸出大国コンソーシアム」以外にも、ジェトロには海外の市場調査やデータ提供などで非常に助けてもらっています。

米国企業との商談風景

ジェトロとの市場調査の結果、米国進出を決定

市場調査をしていく中で人口が増えているのはもちろん、弊社はBtoBのビジネスモデルのため、日本での取引実績がある日系の食品メーカーが多い米国へ進出するのがいいのではないかという結論に達しました。また、生姜輸出に関するジェトロの資料を見たところ、米国への生姜の輸出量が非常に多かった。米国での栽培面積や生産量を調べてみると、輸入に頼らざるを得ない状況だというのが見て取れました。この状況なら、自分たちも提案できるチャンスがあるのではないかと思えたことも大きかったです。そして、2018年11月からカリフォルニア向けに、国内取引先の現地法人を通じて輸出が始まりました。輸出開始時は輸送する際のコンテナ選びに苦労しました。生姜は荷物としては小さくロットも少量から始まるため自分たちの商材だけではコンテナをいっぱいにすることができず、コンテナを一緒に利用してくれるパートナーが必要となり、この、パートナー探しは大変でした。

市場調査中。現地企業の商品を見学

現地の日系スーパーでは、生姜甘酒・ユズ湯が販売されている

販売拠点だけでなく生産拠点としてアジアへ進出

次の一歩としてタイへの進出を視野に入れています。弊社はシンガポールや香港などにも商品の一部を販売しているのですが、タイには日系の食品メーカーが多く進出しており、こういったメーカー向けに販売ルートの構築を考えています。また、長年付き合いのあるメーカーがタイにあり、そことの合弁会社の設立を検討しています。アジア地域への進出の目的は米国とは異なり、販売拠点としてだけでなく市場性や人件費などの観点から生産拠点としての展開も考えています。海外進出に関しては、自分たちで仮説を立ててみて市場調査だけでもやってみることが大切です。経費を含め大きな初期投資がかかってしまうので、現地への市場調査や商談には意志決定される方も同行されるとよいのではないでしょうか？なにより、ジェトロは仮説を立てる段階からサポートしてもらえるので、これを使わない手はないですよ。

専門家からのポイント

支援の初期は浅野社長も輸出対象の米国の市場を勉強中でしたが、パートナーの知り合いを通じ米国の代表的スーパーの製品（生姜加工品）のフェース写真やサンプルを取り寄せ、またジェトロで得られるすべての資料を全員で読みこなすなど、まず日本でできる限りの情報を得てから現地入りしました。現地では取引先である日系製造業の米国工場や米国の生姜加工業、飲料メーカー（KOMBUCHA）に的を絞り20社と商談しました。現在は日本からの冷凍混載便ルートを開拓でき、受注を得ることができました。