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株式会社アドリーブ

人材なし、資金なし、英会話苦手。それでも海外に進出したかった。日本の「かわいい」文化を世界へ

カメラのデジタル化の波に乗り、女性用に特化したカメラ用品を開発・生産。日本市場がシュリンクしていく中で、2017年に海外からの1通のメールをきっかけに、海外進出を始める

東京都目黒区ウェブサイト

展開国・地域：: 2018年中国、ドイツ
2019年香港
事業内容：: カメラ関連雑貨の製造企画および販売

代表取締役中村一子氏

日本市場での成功と頭打ち

弊社は2008年から2015年までは、デジタル一眼カメラブームに乗り順調に国内での販売を伸ばし、キヤノンやリコーといった大手カメラメーカーとの取引も拡大していました。しかし、2016年ごろから「女性用カメラ用品」というニッチ市場のため、市場の飽和により売り上げが伸び悩んできました。そこで、2016年に世界最大のカメラ関連展示会であるphotokina2016（ドイツ・ケルン）に視察に行きました。カメラは、日本メーカーが世界シェアの90％以上を占有している数少ない業界ですが、photokinaに行って驚いたことにカメラ関連商品は、世界では日本メーカーは皆無で欧米メーカーが主流でした。帰国後、何とか世界に売れないものかと考えましたが、弊社のような小規模の会社では、何から始めたらいいか分かりません。そこで外部の支援企業に当たりましたが、どの会社も費用がとても高く、手が出ませんでした。

本社ショールーム

カメラストラップは100種類以上

ハンズオン支援の2年

そんな時、ジェトロが無料で支援してくれるらしいと、地元の信用金庫から聞いて、すぐにジェトロを訪ねて、初めてコンシェルジュと出会いました。コンシェルジュはとても親身になって相談に乗ってくれて、ハンズオン支援のコーディネートをしてもらいました。ないものづくしの弊社でしたが、専門家の指導のもと、英語サイトの構築、英語パンフレットの作成、海外展開方法の検討、契約書の作成など着々と体制を整えました。英語が苦手な私は、何回もめげそうになりましたが、そのたびに専門家の経験に裏打ちされた確かなアドバイスと豪快に笑いながら「何とかなりますよ」という言葉に励まされてきました。そんな時、中国から1通のメールが来ました。相手は大手日系企業勤務の中国の方でした。何回かメールをやりとりした後で私は北京に飛びました。そして信じられないことに初回から100万円を超す商談がまとまりました。

ヒット商品「カメラ用インナーバッグ」

photokina2018出展ブース

ドイツ展示会への出展

中国での経験が自信になり、2018年9月にドイツ・ケルンで開催するphotokina2018に出展することにしました。海外の展示会への出展は初めての経験です。展示会への申し込みもドイツ人とメールでやりとりし、展示会場の演出計画、通訳の手配、営業資料の作成など全てが初経験でしたが、コンシェルジュから、契約書の作成、パンフレットの英文の修正など専門的な部分はその都度、適切なジェトロのスポット支援の専門家を手配してもらい、営業計画の部分はハンズオン支援の専門家に助言を受けて、無事出展することができました。出展により世界中のバイヤーとつながりができ、photokina
2018で知り合ったイタリア、香港の代理店との取引がスタートしました。人材がいなくても、資金が少なくても、英語が話せなくても、しっかりしたビジョンと商品、そして海外進出のノウハウがあれば小さい会社でも海外進出できます。そのノウハウを提供してくれたジェトロには感謝の言葉しかありません。

専門家からのポイント

アドリーブは、女性用のカメラ用品に注目し、欧州への進出を目指していました。しかし全く海外ビジネスの経験がなかったため、最初の成果目標をアジアへの進出から始めることにしました。効果的であったのは、マーケティング手法や契約交渉に関して、多くの事例を紹介し分析して見せることでした。そこで疑似的な海外経験を積んで自信を付けていただきました。形式的なレクチャーや資料提供だけでなく、契約内容支援に関しても実践的な話題を提供しさまざまな可能性を示すことで対応力を付けることができました。