2022年第1回のレアアース採掘・製錬割当は前年同期比2割増

(中国)

上海発

2022年02月15日

中国の工業信息化部と自然資源部は2022年1月28日、「2022年第1回レアアース採掘・製錬分離総量コントロール指標」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(以下、「指標」)を公表した。指標では、2022年第1回のレアアース(希土類)の採掘総量を10万800トン、製錬分離総量を9万7,200トンに設定。設定量はそれぞれ前年第1回の指標に比べ20.0%増となった。希土類の種類別内訳をみると、軽希土は23.2%増の8万9,310トン、中・重希土は前年と同量の1万1,490トンだった(添付資料表1参照)。

企業の過剰採掘による資源枯渇や、採掘・製錬による環境汚染を避けるため、中国政府はレアアースの生産割当を導入しており、割当対象外の企業による採掘・製錬および割当量を超えた採掘・製錬が禁じられている。第1回の指標では採掘量と製錬分離量が4社に割り当てられた(添付資料表2参照)。なお、このうち中国稀土集団は、国際市場での競争力向上と産業集約の推進を目的に、レアアース大手3社が合弁して2021年12月に設立した国有企業(2022年1月5日記事参照)。

レアアース需要は、新エネルギー自動車・工業用電機機器・風力発電などのレアアースを使用する関連製品の需要増に伴い増加している。採掘企業は高い利益が見込まれる一方、供給は割当により制限があるため、価格は高い水準が続くとの懸念がある(「証券時報」2月7日)。

(龐婷婷)

(中国)

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