6月のインフレ率が7.56%まで上昇、食品セクターは8%超えに

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年07月27日

バングラデシュ統計局(BBS)は719日、6月の消費者物価指数(CPI)の上昇率を7.56%、前年同月比で1.92ポイント増とPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。食品セクターの上昇(8.37%、前年同月比2.92ポイント増)が主要因で、CPI上昇率は2013/2014年度(同7.4%)以降、最も高い上昇率を記録した。

特に農村部で物価上昇が顕著にみられる。農村部の同上昇率は8.09%に達し、食品セクターに限っては8.93%と、前年同月からいずれも約3%上昇している。都市部では同6.62%(食品セクターは7.11%)と国全体との比較では若干低いものの、20224月時点(同5.75%)から2カ月間で約1%上昇している状況だ。

政府の金融アドバイザーを務めたエコノミストのミルザ・アジズル・イスラム氏は、新型コロナウイルス感染拡大以降、市場での食品などの価格上昇(2021年4月22日記事2022年3月9日記事参照)や、対ドルの通貨タカ安傾向がみられ(2022年7月13日記事参照)、これらの要素が継続的にCPI上昇率に影響を与えていると分析する(「ダッカ・トリビューン」紙719日)。賃金上昇率は全産業平均で6.47%(6月末時点)と2019/2020年度以降、大きな変動はみられないが、ジェトロ「2021年度 外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編」でも、バングラデシュに進出する日系企業の主要課題は「従業員の賃金上昇(60.9%)」となっている。

長引くロシア・ウクライナ戦争や新型コロナ禍による影響を受け、食品・日用品などの価格上昇による国民生活や消費への影響、賃金上昇率の上昇が一層懸念される。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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