主要食材の市場価格が上昇、インフレ率にも波及

(バングラデシュ)

ダッカ発

2021年04月22日

バングラデシュでは、複数の主要食材の価格が上昇している。商務省傘下のバングラデシュ貿易公社(TCB)の発表によると、国産ショウガの平均市場価格(4月16日現在、キロ単価)は110タカ(約143円、1タカ=約1.3円)と、前週(4月9日時点)の85タカから29.4%上昇している。また、ニンニク(国産および輸入品)は14.3%上昇、国産タマネギは13.3%上昇、国産鶏肉は12.2%上昇、国産乾燥唐辛子は11.1%上昇、大豆油は2%上昇と、バングラデシュの食生活に欠かせない食材の多くに価格上昇がみられた(添付資料表参照)。この要因として、現在、導入されている移動制限などにより供給不足が生じていることや主要輸入元の生産減が挙げられる。例えば、大豆油の場合、主要輸入先国のブラジル、アルゼンチンの生産・供給力が新型コロナウイルスの感染拡大により減少している。加えて、こうした供給不足などによる国際相場の上昇などが理由として報じられている。

食材価格の上昇は、インフレ率にも波及している。バングラデシュ統計局の発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2021年3月のバングラデシュのインフレ率〔消費者物価指数(CPI)上昇率〕は5.47%と、前月(5.32%)から0.15ポイント上昇した。とりわけ、農村部のインフレ率は0.22ポイント上昇の5.55%となり、中でも、食品分野は0.11ポイント上昇の5.83%と、都市部以上にインフレが進んでいる状況にある。

他方、バングラデシュの78.5%の家庭は、新型コロナウイルスによる所得減などの家計への負の影響から脱しておらず、80.6%の家庭は食品にかける支出を減らしているとの報道もある。

(山田和則、イスラット・ジャハン)

(バングラデシュ)

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