廃家電の回収目標設定、家電リサイクルを推進

(中国)

上海発

2021年08月12日

中国の国家発展改革委員会など3部門が8月4日、連名で「家電メーカーの廃家電回収目標責任制の展開を奨励する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」[発改産業(2021)1102号](以下、通知)発表した。これは、国家発展改革委員会など7部門が2020年5月に連名で発表した「廃家電リサイクル処理システムの改善、家電買い替え消費の推進に関する実施計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」[発改産業(2020)752号]に基づくものだ(2020年5月25日記事参照)。

通知では、家電メーカーに回収目標の設定を奨励することで、2023年までに家電回収・再利用率を大幅に向上させ、廃家電処理の能力を大幅に高めるとしている。具体的には、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目について、家電メーカーは年間の回収目標台数と回収率(年間の回収台数を直近3年間の平均販売台数で割ったもの)などの数値目標に加え、年間の回収行動計画などを示した行動目標を設定する(注)。廃家電の回収ルートについては、家電メーカーの自社の販売網とアフターサービス網などのほか、EC(電子商取引)プラットフォームや家電売り場での家電買い替え活動などを通じた回収の促進を促す。また、地域の大手家電回収会社や有力な解体処理会社と協力して、家電リサイクルのためのサービスネットワークを構築するとしている。

中国の家電リサイクル業界では、これまで解体処理会社に十分な量の廃家電が回ってこないという問題があった。今回の通知では、家電メーカーの回収システム構築への参画を推進しており、こうした問題の解決につながることが期待される。また、家電メーカーの直接参画で、家電リサイクル産業が補助金に依存してきた状況を改善し、完全に市場化された環境下で、廃家電解体処理・リサイクルの能力水準により収益が左右されるようになる、といった指摘もある(「中国中小企業信息網」8月6日)。

(注)目標に対する評価の構成比率をみると、数値目標が全体の70%、行動目標が30%を占めるとされる。

(高橋大輔)

(中国)

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