ECB、政策金利を6ヵ月連続で0.75%に据え置き
デュッセルドルフ事務所
2013年01月11日
欧州中央銀行(ECB)は2013年1月10日の政策理事会で、政策金利(主要リファイナンス・オペ金利)を6回連続で0.75%に据え置いた。
<SSMの役割の重要性を強調>
政策理事会は、政策金利、限界貸付ファシリティー金利〔オーバーナイト貸し出し(翌日返済)の金利〕、預金ファシリティー金利〔オーバーナイト預け入れ(翌日満期)の金利〕をそれぞれ0.75%、1.5%、0.0%のまま据え置いた。
ECBの政策理事会後の記者会見で、ドラギ総裁は「金融市場の緊張感が抜け、投資家の信用が戻りつつある。国債利回りも低下傾向が続き、資金調達が改善したことなど通常化の兆しがみえてきた。それにもかかわらず、世界各地の政治情勢の変化、原油価格の動向や財政赤字に対する各国政府の政策などによるリスクは高い。従って、ユーロ圏経済は2013年も低成長にとどまるだろう」と述べた。今回も、政策金利のさらなる利下げが議論されなかったと明らかにした。
ユーロ圏内の銀行を一元的に監督する単一監視メカニズム(SSM)(2012年12月4日記事参照)に関し、ドラギ総裁は「金融政策がユーロ圏各国での融資条件に十分反映されることを保障するため、銀行の抵抗力(resilience)を強化し続けるのは必要不可欠。その積み石の1つとなるのはSSM。銀行システムの再統合へ向けた極めて重要なステップだ」と述べた。
<2012年12月のインフレ率は横ばい>
ユーロ圏消費者物価上昇率は、2012年12月(速報値、PDF)が2.2%で前月と横ばいとなった。ECBが掲げた物価安定の目安である2%を25ヵ月連続で上回っている。中期的な動向に関し、ドラギ総裁は「インフレ率は2013年中に低下傾向が続き、2%を下回るだろう」と語った。
通貨供給量は、2012年11月のM3が前年同月比3.8%と前月より0.1ポイント低下した。民間向け貸し出しがマイナス0.8%と前月と横ばいだった。
(ゼバスティアン・シュミット)
(ユーロ圏)
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