ビジネス短信は70カ所を超えるジェトロ海外事務所の駐在員から送られる国際ビジネス関連ニュースです。
過去記事一覧
ジェトロ・メンバーズ向け
その他コンテンツ
国・地域別記事一覧
テーマ別記事一覧
産業別記事一覧
米国中間選挙、民主党が上下両院で多数派奪還、関税政策への影響は限定的か
(米国)
調査部米州課
2026年11月04日
11月3日に投開票が行われた米国の中間選挙で、民主党が連邦議会の上下両院で多数派を奪還した。
米国選挙情報サイト「270toWin」によると、米国時間11月4日午前1時時点で、全議席が改選された連邦議会下院(435議席、任期2年)では、民主党が222議席、共和党が129議席の獲得を確実とした。残る84議席は未確定だが、民主党は過半数に当たる218議席を上回り、多数派の奪還を確実とした。
また、35議席が改選された連邦議会上院(100議席、任期6年)では、民主党が52議席、共和党が42議席の獲得を確実とした。残る6議席は未確定だが、民主党は過半数の51議席を確保し、多数派の奪還を確実とした(注)。接戦が予想されていたテキサス州、カンザス州、オハイオ州、アイオワ州、メーン州などで民主党候補が軒並み勝利した。
今回の中間選挙の結果により、連邦議会の上下両院とトランプ政権との間で「ねじれ」が生じる。民主党が連邦議会の主導権を握ることで、トランプ政権が推進する産業政策や予算法案などの審議・成立が難しくなり、政権運営に一定の制約がかかるとみられる。また、連邦議会ではトランプ政権の方針に反する法案が審議・可決される可能性もある。ただし、法案が成立するには、上下両院での可決に加え、大統領の署名が必要となる。ドナルド・トランプ大統領は4日、自身のSNSに「拒否権(VETO)」と記された画像を投稿しており、民主党主導の連邦議会が可決した法案に対して拒否権を行使する構えを示した。
一方、外交・通商政策については、大統領・行政府の裁量が大きく、政策方針が大きく転換する可能性は低いとみられる。現在、日本産品に適用されている1974年通商法301条に基づく追加関税や、自動車・鉄鋼製品などに課されている1962年通商拡大法232条に基づく分野別の追加関税なども、連邦議会の承認を経ずに、大統領・行政府の判断で発動されてきた。従って、中間選挙の結果、連邦議会の勢力図が変わっても、既存の追加関税が撤回される可能性は低くとどまる。日本企業は、当面は現在の関税水準が維持されることを想定する必要がある。
(注)民主党の議席数は、民主党会派の議員の議席を含む。なお、改選前は連邦議会下院で、民主党214議席、共和党219議席、欠員2議席。連邦議会上院で、民主党47議席、共和党53議席だった。
(葛西泰介)
(米国)
ビジネス短信 db5c569b94fab43f





閉じる