トランプ米大統領、国防生産法に基づき、石油生産・精製・物流能力の拡大を指示

(米国)

ニューヨーク発

2026年11月05日

米国のドナルド・トランプ大統領は10月22日、石油生産・精製・物流能力(石油関連インフラ)を拡大するための大統領覚書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。国防生産法(DPA)303条に基づき、石油関連インフラを国防上不可欠な産業基盤と位置付け、連邦政府機関による石油の購入・購入確約・財政支援などを通じて、石油関連インフラ拡大に向けたプロジェクトを実行する。また、政府機関の支援の実施に際して、DPA303条に定める一部の要件を免除することで、迅速な支援の実施を可能とする。

本大統領覚書では、まず、(1)国内の石油関連インフラが、国防上不可欠な産業資源、原材料または重要技術品目に該当すること、(2)石油関連インフラ事業のリードタイムの長さや許認可取得の複雑さなどを踏まえれば、連邦政府による支援がなければ米国の産業部門の石油需要を適時に確保できないこと、(3)DPA303条に基づく購入・購入確約・事業開発に対する財政支援などが、必要な石油需要を満たすために最も費用対効果が高く、迅速かつ実務的な手段であること、の3点を認定した。

その上で、大統領覚書では、DPA303条(a)(7)に基づいて、DPA同条(a)(1)~(6)の要件を免除した。今回の免除で重要なのは、DPA303条(a)(5)に基づく大統領の認定要件と、(a)(6)に基づく議会への通知要件だ。通常、(a)(5)では、DPA303条に基づく連邦政府による購入・購入確約・財政支援などを実施する場合に、対象となる産業資源などが(1)国防上不可欠であること、(2)連邦政府の措置がなければ対象となる産業資源などが確保できないこと、(3)連邦政府による支援が適切な手段であること、について大統領が書面で認定する必要があるが、今回の大統領覚書はこれを省略可能とする。また、通常、(a)(6)では、連邦政府による支援を実施する前に、連邦議会上下院に書面で通知が必要となるほか、措置の総額が5,000万ドルを超える場合には、議会による承認が必要とされているが、今回の大統領覚書はこれも省略可能とする。

これらの従来必要とされていた連邦政府による支援実施時の手続要件を簡素化した上で、大統領覚書では、各連邦政府機関に対して、石油関連インフラの拡大に向けた石油の購入・購入確約・財政支援などを講じるよう命じた。

なお、今回の大統領覚書では、具体的な対象プロジェクト、支援金額、実施時期などを明らかにしていない。今後、政府による支援対象プロジェクトの選定状況が注目される。

(當麻江美)

(米国)

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