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欧州委がハンガリーの防衛投資計画を承認、54億ユーロの安全保障行動(SAFE)融資適用へ
(ハンガリー、EU)
ブダペスト発
2026年11月06日
欧州委員会は10月28日、防衛予算のEU加盟国向け融資制度「欧州の安全保障行動(SAFE)」(注1)適用の最後の審査案件となっていたハンガリーの計画を承認した。同計画は54億ユーロの融資活用を見込むもので、今後はEU理事会による承認手続きに付される。
ハンガリーは2025年12月、前政権下で総額174億ユーロの防衛投資計画を提出していた。同年9月時点でSAFE融資割り当て枠として見込んでいた暫定枠の162億ユーロを上回る規模で、防衛能力の強化、防衛産業の発展、軍民両用インフラの整備、国内の供給・イノベーションネットワークの強化などを目的に掲げていた。しかし、2026年5月に発足したマジャール政権は、償還が必要な資金であり経済的負担を考慮すべきとの立場から計画を大幅に縮小し、2026年9月には申請額を54億ユーロに引き下げることを欧州委に通知していた。
ハンガリーでは近年、防衛産業が政府の重点産業の1つとして位置付けられている。2016年に始動した国防・軍近代化計画「ズリーニ2026」の下で、軍備の近代化と並行して国内の防衛産業基盤の構築を進めてきた。例えば、ドイツの防衛大手ラインメタルは、2023年8月に西部ザラエゲルセグで歩兵戦闘車「リンクス」の生産工場を、また2024年7月に西部バールパロタでハンガリー国有防衛産業持ち株会社との合弁による弾薬工場を開所した。さらに、フランスのエアバス・ヘリコプターズは、2022年7月に南東部ジュラでハンガリー政府との合弁会社によるヘリコプター部品工場の生産を開始。チェコの銃器大手コルトCZグループは、2022年12月にハンガリー国営の防衛企業N7ホールディングと合弁会社を設立し、2024年初頭から小火器を生産している。
欧州委によると、19の加盟国が総計1,300億ユーロ超のSAFE融資を申請しており、ハンガリー向け融資分の承認後も210億ユーロ強の未配分枠が残る。今後、欧州委は全加盟国を対象に追加募集を行う予定だ。ルシン=センディ・ロムルス国防相は9月24日、「ITBN CONF-EXPO 2026(注2)」での討論会で、ハンガリー向けのSAFE融資の用途として、既存の防衛関連契約費用への充当や後年に予定している防衛投資の前倒しがあり得ると述べた。また、対象用途には交通インフラやサイバーセキュリティーも含まれ得るとした。
(注1)総額1,500億ユーロ規模の融資枠組みで、加盟国に対し防衛投資や共同調達向けに有利な条件での長期融資を提供する。
(注2)ハンガリーで毎年開催されるサイバー情報セキュリティー分野の大規模カンファレンス兼展示会。
(バラジ・ラウラ)
(ハンガリー、EU)
ビジネス短信 bd35a441cd9989f9





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