マレーシア非日系市場の開拓へ、茨城県産食品の輸出商談会を開催

(日本、マレーシア)

茨城発

2026年11月02日

日本産農林水産物・食品の輸出先として東南アジアの存在感が高まる中、ジェトロは10月9日、マレーシアから非日系の高級小売店バイヤーとディストリビューターを茨城県に招聘(しょうへい)し、県内食品事業者との対面商談会を水戸市内で開催した。

今回の商談会には、菓子、調味料、酒類、茶などを扱う茨城県の企業9社(注)が参加した。商談では、商品の特徴やストーリー性に加え、現地での販売価格や物流体制などについて具体的な意見交換が交わされた。

写真 商談会の様子(ジェトロ撮影)

商談会の様子(ジェトロ撮影)

参加企業の商品で特に注目を集めたのが、茨城県を代表する農産物であるサツマイモ関連商品だ。マレーシアでは健康志向の高まりを背景に、添加物の使用を抑えた食品やスナックへの関心が高まっており、茨城県産サツマイモを使用した干し芋、冷凍焼き芋、チップスなどの加工品については、素材本来の甘みを生かしたシンプルな原材料で製造されていることが高く評価された。バイヤーからは、「現地産サツマイモにはない自然な甘みやしっとり感がある」「健康的なおやつとして高所得層向けに提案できる」との声が聞かれた。

商談会前日の10月8日には、参加バイヤーが茨城県ひたちなか市内の関連企業を訪問し、サツマイモの貯蔵設備や干し芋の加工場を視察した。商談に加えて、生産現場を視察することで、バイヤーに茨城県産サツマイモの品質管理や長期熟成術への理解を深めてもらい、産地としての信頼性やストーリーを現地消費者へ訴求する狙いがある。

賞味期限期対応や非日系開拓が市場開拓の鍵に

商談会では、輸出拡大に向けた課題も浮き彫りになった。バイヤーからは、マレーシア市場では輸入時点で6カ月以上の賞味期限残存期間が求められるケースが多いとの指摘があった。賞味期限が比較的短い商品については、包装資材の見直しや品質保持技術の導入により賞味期限を延長するなど、バイヤーから輸出に向けた具体的な商品改良の必要性が示された。

マレーシアは人口約3,500万人を抱え、富裕層と中間層が人口の約6割を占める東南アジア有数の消費市場だ。日本食レストランの増加に加え、近年は高級スーパーマーケットやEC(電子商取引)を通じて家庭内で日本産食品を購入する動きも広がっている。日本からマレーシア向けの農林水産物・食品輸出額は2025年に291億円となり、前年比26.3%増と大きく伸長した。輸出先としては世界13位で、東南アジア市場の中でも有望な輸出先として注目されている。日本食が既に一定の認知を獲得している一方で、日本産食品の競争も激しくなっている。今後は非日系チャネルを通じて一般消費者への浸透を図れるかが市場拡大を左右する要素となりそうだ。

(注)商談会参加企業は、ジェトロのオンラインカタログサイト「Japan Street」の情報を基に、バイヤーが事前選定した。

(渡邉希帆)

(日本、マレーシア)

ビジネス短信 568926e5271cdc71