モーリタニアで新内閣が発足、首相は再任

(モーリタニア)

パリ発

2026年11月06日

モーリタニアのモクタール・ウルド・ジャイ内閣は10月9日に総辞職した。これを受けて、モハメド・ウルド・シェイク・エル・ガズワニ大統領は、ジャイ首相を再任した。また、同大統領は、2024年の大統領選挙で掲げた国家開発プログラムである「祖国への私の志(Mon Ambition pour la Patrie)」の推進継続に必要な政治的・技術的能力を備えた新内閣の組閣を命じた。翌10日には、大統領令で承認された新内閣の閣僚名簿(添付資料表参照)が発表された。

新内閣では、2024年8月に発足したジャイ政権のエネルギー相、国防相、内務相、経済開発相を含む12閣僚が交代した。アイサタ・ラム氏が漁業・海洋・港湾インフラ相に任命され、同省初の女性大臣となった。なお、同氏が外国投資促進庁(APIM)長官在任中の2022年に日本で初のモーリタニア投資セミナーが開催された。

今回の内閣総辞職の要因としては、首都ヌアクショットにあるモーリタニア電力公社(SOMELEC)の変電所2カ所で稼働開始直後の8月18日と21日に発生した火災により、市内において数日間にわたる大規模停電を引き起こし、住民の強い反発を招いたことが直接の引き金になったとみられる。独立調査委員会が取りまとめた報告書が、内閣総辞職の前日の10月8日にガズワニ大統領に提出されていた。報告書には、行政上の誤りや怠慢に起因する責任の所在に基づき、義務を果たさなかった者に対して厳格な行政措置を講じる勧告が盛り込まれている。

一方で、この件に直接関わりのない、大統領の側近とみられていた国防相および内務相も交代したことで、政治的要因も内外のメディアで指摘されている。2019年に就任し、2024年には再選を果たしたガズワニ大統領は、モーリタニアに政治的安定をもたらしたと評価されている。アフリカ開発銀行によると、経済成長率も2024年には6.3%を達成し、2025年は4.0%に低下したが、2026年には4.4%、2027年には4.7%の成長が見込まれている。2029年の大統領選挙に向け、憲法では認められていない大統領の3期目の任期を可能にする憲法改正を含め、権力基盤の再編が今回の内閣刷新の背景にあるという可能性も指摘されている。

(渡辺智子)

(モーリタニア)

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