「高機能素材Week」でELV規則やPPWRをテーマとするセミナー開催

(日本、EU)

調査部欧州課

2026年11月02日

「高機能素材Week外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(東京展)」(2026年10月22日記事参照)の会場内で10月1日、セミナー「いま知りたい、欧州規制の最新動向」が開催された。日本生産性本部 エコ・マネジメント・センター長の喜多川和典氏が「欧州の自動車リサイクルの現状と課題~新しいELV規則と関連業界への影響・対策~」、フランスの環境サービス大手ヴェオリア・ジェネッツ(注1)の宮川英樹リサイクル事業本部 部長付が「欧州包装規制の最新動向」というタイトルでそれぞれ講演を行った。

2026年8月13日に施行したEUの自動車設計・廃車(ELV)規則(2026年8月19日記事参照)では、新車への再生プラスチックの利用率を2032年から15%以上とすることが義務付けられている。喜多川氏は、同規則の対象となる企業が、廃棄物の回収・選別から再生プラスチックの製造プロセスまでを追跡・管理できる民間の認証(CoC、Chain of Custody)を取得することを推奨し、それが企業の競争力を左右するとした。CoC証明ツールの構築事例としてヴェオリアの用途別再生プラスチックブランド「プラスチループ(PlastiLoop)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を紹介した。

宮川氏は、欧州や日本の循環型経済(CE)政策の動向を説明。欧州では2020年に「新循環型経済行動計画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が採択されたが、日本でも資源有効利用促進法やプラスチック資源循環促進法、再資源化事業等高度化法などを通じ、循環経済への移行に向けた制度整備が進められている。

同氏は、欧米企業のCE実装の事例として次の3社を紹介した。

  • オランダのMadaster(マダスター)は、建物に使用される資材や製品の品質、原産地、再利用可能性に関する情報をデジタルで記録する循環型建設プラットフォーム「マテリアル・パスポート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開発。
  • ドイツのBMWグループは、2021年に100%の再生材使用率、100%リサイクル可能なコンセプトカー「iビジョン サーキュラー」を発表。2030年には、全生産車の再生材含有率を平均25%以上とする目標を掲げる。
  • 米国アップルは、使用済みiPhoneを回収し、分解ロボット「Daisy(デイジー)」で自動分解することで、端末に含まれる金属などの有用な素材の回収・リサイクルを進めている。

EUの包装・包装廃棄物規則(PPWR、注2)で2026年8月に適用開始した要件(2026年7月30日記事参照)については、特に企業にとって(1)自社製品のどこまでが包装に当たるのか、(2)自社の義務は何か、(3)どこまでを1つの包装単位とするのか、の判断が難しいと説明した。2030年1月1日から適用開始の第6条「リサイクル可能な包装」に関連して、設計変更に関する企業同士の合意が課題となるとし、特に日本ではリサイクルが難しいアルミがバリア材としてよく利用されていること、モノマテリアル素材の見栄えの問題、バリア性能や安全性に対する消費者理解などを挙げた。

「高機能素材Week(東京展)」は、高機能マテリアル、フィルム・プラスチック・金属・セラミックス・サステナブルマテリアルなどの最先端の素材が一堂に会する展示会で、9月30日~10月2日に開催された。

(注1)ヴェオリア・ジェネッツは日本国内で、エコスファクトリー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、グリーンループ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、サーキュラーペット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますなどのグループ会社・関連会社を通じて、プラスチックリサイクル事業を展開している。

(注2)詳細は特集「EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)関連情報」参照。

(森友梨、小林美晴)

(日本、EU)

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