8月12日の適用開始に向け、欧州委の担当者がPPWR対応実務を解説
(EU、日本)
調査部欧州課
2026年07月30日
日欧産業協力センターは7月14日、日本の経済産業省・農林水産省と共催で、ウェビナー「EU包装及び包装廃棄物規則(PPWR)の影響-欧州委員会担当者が解説する制度と実務対応のヒント-
」を開催した。
欧州委員会・環境総局のアウレル・チョバヌ・ドルデア氏が基調講演として、PPWRの概要や、8月12日の適用開始が迫る中、日本企業が準備すべき内容について解説した。PPWRにより、EU単一市場で調和した規制となり、全ての国からの輸入品と域内事業者に同じ条件が適用される。「貿易パートナーは、規制への順守を、技術文書や適合宣言書(DoC、注1)を通じて文書化する必要がある」とし、日本企業に準備を呼びかけた。EU域内の輸入者がEU市場に上市する際に適合性を確認する「ゲートキーパー」の役割を果たすため、日本企業に対し、域内の輸入者やビジネスパートナーとの協働を推奨した。
また8月12日から適用開始される主な要件として、(1)重金属および食品接触包装に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の使用制限、(2)製造事業者・輸入事業者が包装の適合性を評価・確認する義務を挙げた。
(1)PFASの使用制限については、「(DoCによる)自己宣言のみでは不十分で、技術文書の作成が必要」と説明。一方、第三者機関などによる検査の実施については、高リスクの包装材から対応するリスクベースが原則であり、「意図的な添加を避けることが重要」とした。検査する場合は、同じ組成の包装であればサンプリングで対応可能であるとし、7月中に検査方法に関するガイダンスを発表予定と述べた。(2)適合性評価については、「製造事業者は懸念物質(重金属およびPFAS)の確認、技術文書の作成または入手、DoCの作成が必要」とした。
2030年から適用されるプラスチック包装のリサイクル材最低含有率義務については、現在、他の法的措置において飲料用PETボトルについてケミカルリサイクルを一定の条件のもと認めているところ、包装用途プラスチックのケミカルリサイクルを認める提案を2026年末までに行う予定と説明した。これにより、EUではリサイクル材の供給不足は想定しておらず、ケミカルリサイクルの活用により品質面の課題にも対応できるとの見方を示した。
続いて、EY新日本有限責任監査法人CCaSS事業部シニアマネージャーの井出陽一郎氏は、8月12日までに「事業者情報、識別情報の付与」が必要と強調した。技術文書・DoCと包装の現物をひも付けるため、製造事業者は、包装の識別情報、製造者情報、輸入者情報を包装に表示する必要がある。
最後にTOPPAN生活・産業BU製造・技術統括本部SXパッケージ開発本部CE推進部の藤井崇主席研究員は、「2030年には、リサイクル可能な設計などの要件についても適合しなければEU市場に上市できず、リサイクル性能が低い場合は拡大生産者責任(EPR)での費用負担が増加する」とPPWR対応の必要性を説明。今後発表される細則を注視しつつ、同社はモノマテリアル(単一素材構成)化やケミカルリサイクル材を利用したマスバランス認証(注2)を推進し、「PPWRに対応した包装材のソリューションを提供していく」と述べた(2025年6月17日記事参照)。
(注1)適合宣言書の記載事項や細則の発表予定などの詳細は、ジェトロ「EU PPWR概要資料(2026年7月時点)
(1.0MB)」および特集「EU PPWR関連情報」参照。
(注2)環境配慮型の認証原料と通常の原料が混ざり合う場合に、投入した認証原料の量に応じて、製品の一部にその特性(バイオマスや再生原料など)を割り当てて証明する方法。
(川嶋康子、森友梨)
(EU、日本)
ビジネス短信 931b227a54867625





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