EUの自動車設計・廃車(ELV)規則が施行、2028年から順次適用へ

(EU)

ブリュッセル発

2026年08月19日

EUでは8月13日、自動車設計・廃車(End-of-Life Vehicles:ELV)管理における持続可能性要件に関する規則外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが施行された。同規則は、欧州委員会が2023年7月に提案し、2025年12月にEU理事会(閣僚理事会)と欧州議会が政治合意した後(2025年12月26日記事参照)、欧州議会が2026年6月18日、EU理事会は6月29日にそれぞれ採択した。規則は原則として2028年9月1日から適用され、各義務は規定された時期に応じて段階的に適用される(添付資料表参照)。

新車への再生材の利用に関し、再生プラスチックの利用率は、2032年から15%以上、2036年以降は25%以上の利用が義務付けられた(うち20%は廃車由来)。鉄、アルミニウム、マグネシウムや重要原材料は、欧州委の実現可能性調査を経て、委任法令で目標値や適用開始時期が定められる。また、自動車メーカーには2029年から拡大生産者責任(EPR)が課される。2031年以降は二輪車や大型車も規則の適用対象に追加されるほか、技術的に走行不可能な中古車の輸出が禁止される。欧州委は2026年8月12日付の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、同規則は自動車部門の循環性向上に寄与するだけでなく、一次原材料の輸入依存を低減し、EU域内産の二次原材料の安定供給に資すると強調した。

今後は、再生プラスチックの利用率の計算・検証方法などを定める委任規則の制定などが焦点となり、域内の資源循環基盤の強化も急がれる。例えば、プラスチック産業団体プラスチックス・ヨーロッパの5月19日付の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、EUの循環型プラスチック生産の拡大ペースは鈍化傾向にあり、2024年は需要の19%を輸入品が占めた。背景には、欧州でリサイクル関連インフラへの投資の中止や延期が続く中、中国をはじめとするアジア諸国で生産能力が拡大していることがある。

リサイクル業界団体リサイクリング・ヨーロッパは6月18日付の声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、高度な選別技術の導入やリサイクル能力拡大への投資を促進するには、再生材需要の予見可能性を高め、市場が適切に機能することが不可欠と指摘した。持続可能なバリューチェーンの構築に向け、自動車メーカーの再生材利用に関する長期的なコミットメントなど、リサイクル事業者との協力が必要との見解を示した。

(滝澤祥子)

(EU)

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